2025年大阪・関西万博に出展する各国のパビリオン建設をめぐり、主催する日本国際博覧会協会(万博協会)がプレハブ工法で参加国の代わりに箱形の建物を建てて引き渡す「タイプX」の関連工事を、13億7368万円で発注した。協会幹部が明らかにした。 発注は3区画分(3棟)で、建設工事で12億450万円、解体撤去工事で1億6918万円。竹中工務店などでつくる共同企業体と2月22日に契約した。3月13日にあった万博協会の理事会で協会側が報告。タイプXのパビリオン建設にかかる費用は参加国が負担するが、一時的に万博協会が負担して後から請求する。 各国のパビリオンはほかに、参加国が自前で建てる「タイプA」▽万博協会が建てた施設を引き渡す「タイプB」▽建物の一部区画を貸す「タイプC」――がある。 万博協会は昨年8月、遅れているパビリオン建設を促すためにタイプXを参加国に提案。その後25棟分の資材を先行発注したが、タイプXへの移行を決めたのは現時点でブラジルなど3カ国にとどまる。万博協会は更にタイプXに移行する国があるとみて、今回発注した3棟を含め最大9棟を建設する方針。先行発注した残り16棟分の資材は他の施設などの資材に充てようと調整しているが、キャンセル料が発生する可能性がある。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福井駅でトリケラトプス出迎え ホテルも開業、新幹線延伸に準備万端
長屋護2024年3月16日 12時52分 「恐竜王国」にふさわしい県都の玄関口にしようと、JR福井駅東口に2体、西口に1体の恐竜のロボットやモニュメントが新たに設置され、15日、お披露目式があった。駅前の再開発エリアでは、県内初の外資系ホテルも同日開業。16日の北陸新幹線の福井開業を迎える。 東口にトリケラトプス(台座を含む高さ7・6メートル、全長8・1メートル)の親子、西口にはティラノサウルス(同5・6メートル、全長12メートル)が設置された。さらに今秋までにスピノサウルス類のスコミムスを設置する計画もある。 西口では、名称が福井由来のフクイティタンなど3体を2015年の新幹線金沢開業に合わせて設置。今回は「恐竜拡大プロジェクト」を銘打ち、西口を県、東口を福井市が担当し、壁画や「恐竜博士」が座るベンチなども増やしてきた。 恐竜のコンテンツは、この日開業した「コートヤード・バイ・マリオット福井」を含む日本・グアム担当のヴァイスプレジデント、カール・ハドソン氏も「県立恐竜博物館(勝山市)だけで十分に海外の観光客を多数ひき付ける魅力がある」と評価。総支配人の千代間淳氏は「開業当初は、国内の予約が中心。海外は4月からで、9月の予約の引き合いもある」と話している。(長屋護) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【動画】山岳救助隊、雪洞訓練に記者同行 隊員「雪山は準備徹底を」
原知恵子2024年3月16日 13時00分 【動画】山岳救助隊、厳冬の雪山での雪洞訓練に同行=原知恵子撮影 厳冬期の2月、北海道警の山岳遭難救助隊が雪洞で野営訓練を行った。アクセスが困難な雪山の斜面で実施されるため、過去に報道陣が取材した事例はほとんどない。このほど、道警の協力で記者が同行した。 野営場所は十勝岳連峰・三段山の標高1300メートル付近。隊員たちは今回は、雪崩の恐れがなく、十分な積雪がある斜面を見極め、2~3人の班に分かれて横穴掘りを開始。1時間半ほどで4基を完成させた。 雪洞は、テントに比べて防風性が高く気温が下がりにくいといったメリットがあり、雪山遭難の現場では作成技術は必須。緊急的に滞在したり、遭難者を休ませたりする場合がある。ただ、コロナ禍は「三密」や感染拡大リスクの観点から雪洞野営訓練ができず、4年ぶりの実施だった。 初挑戦だった新人隊員の松本将弥さん(旭川東署)は「始めは比較的雪が軟らかくて掘りやすかったんですが、奥に行くにつれて雪がしまって固くなり、体力を消耗しました」。 先輩隊員から快適性を高めたり、酸欠防止につなげたりする知識や技術を教わり、意識が高まったという。「たくさんの課題に気づけました。今回は背中を見てついていくばかりでしたが、いつかは率いることができるような隊員になりたいです」(松本さん) 前後には雪崩埋没者の捜索や搬送の訓練などもあり、連係の強化や技能のアップデートもはかられた。 道警によると、コロナ禍の制限が解除された今年度は、山岳遭難の件数が過去最多ペースで推移し、死者も出ている。冬山シーズンは特に、雪崩やバックカントリーの道迷い事案が目立つという。 訓練隊の責任者で道警本部の菅原佑介警部補は「雪山は非常に危険です。立ち入る場合は計画、準備、トレーニング、天候の確認を怠らないでください。登山計画書の提出や家族・知人への行動スケジュール共有、時には勇気ある撤退判断をお願いします」と話している。(原知恵子) 【動画】厳冬の雪山で北海道警式「低体温症ラッピング」を体験=原知恵子撮影 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません こどもと被災地 東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
年々早まる桜の開花、まつり終盤の誘客悩ましく 昨年は開幕日に満開
青森県弘前市は15日、今年の弘前公園のサクラの開花時期は、平年より6日早い4月16日の見込みだと発表した。4月19日から園内で「弘前さくらまつり」が開幕する予定だが、開花は年々早まっている。まつりを主催する市や地元観光コンベンション協会などは、園内の見どころを紹介する新たな取り組みを今年から始めるなど、誘客に力を入れる。 この日、桜田宏市長が定例会見で開花予想日を発表した。さくらまつりについても、昨年までコロナ禍の影響で園内の一部で続いていた飲食の規制を、今年はすべて解禁すると明らかにした。 まつりの開催日については昨年の反省を生かし、「4月上旬に開花しても出店やライトアップを始められるように、今年は準備している」と話した。 園内に約2600本あるサクラのうち、まつりの一番の見どころとも言えるのが、1700本あるソメイヨシノだ。平年の開花日は4月22日だが、昨年は記録が残る1947年以降で最も早い4月7日に開花した。市が3月中旬に予想した4月12日よりも5日早く、15日に準まつり体制で開幕したときにはすでに満開だった。 市公園緑地課によると、2019年以降、開花日は年々早まっている。今年も市内の日平均気温は、1月、2月ともに平年値より2度近く高い。市の担当者は「暖かい日が今後も続けば開花が予想より早まる可能性はある」と話す。 そのような中、まつり終盤の来園者数をどう増やすかも課題となっている。 昨年は5月5日までの21日間の会期で、来園者は200万人を超えた。ただ、開幕した4月中旬こそ1日20万人を超えたが、ソメイヨシノの見頃が過ぎた5月に入ってからは、平均して1日5万人ほどだった。 市では昨年から、終盤も来園者に楽しんでもらおうと、ソメイヨシノの後に咲く遅咲きの八重桜7品種を「弘前七桜」と名付け、PRを始めた。 今年はさらに、八重桜の風景が映える園内のスポットなど7地点を「弘前桜七景」と名付け、新たな魅力発信を始めた。桜田市長は会見で、「今年はまつりの終盤まで少しでも多くの方に楽しんで頂けるよう、さらに取り組みを進めていきたい」と話した。 市などまつりの主催団体は、今後の園内のサクラの開花予想を踏まえ、今月末までに正式に会期を決定する予定だ。(古庄暢) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山岳遭難救助隊、雪洞訓練に記者同行「やりがいと絶望と」隊員の思い
【動画】山岳救助隊、厳冬の雪山での雪洞訓練に同行=原知恵子撮影 山を「死ぬ場所」にしたくない――。 北海道警の山岳遭難救助隊員たちは日々、そんな使命感を抱いて任務にあたっている。厳冬期の2月、雪山での過酷な訓練を記者が同行取材した。 □ スノーシューをはいて救助隊員のザック(25キロ前後)を背負ってみようとしたら、重すぎて歩くことも立つこともできない。 訓練開始からわずか10分。雪山遭難の現場に向かう隊員がどれほどの体力と技術を要求されているのか、それだけでも一端を垣間見た気がした。 11人の隊員らはこの日、山スキーで十勝岳連峰・三段山(標高1748m)を目指す。もちろん、ふつうに登るのではなく、搬送訓練をしながらの移動だ。 搬送中に遭難者を載せたストレッチャーが揺れたり、滑落したりしないよう気をつけながら、木などを支点にして滑車やロープをセットする。 「ひーけ、ひーけっ」 綱引きのように声をかけ合って引っ張り、到着したらまた、安全なルートを見極めて次の木へとリレー。目的地まで、ひたすらその繰り返しだ。 雪をかき分けて進むだけでも消耗するのに、急な傾斜は25度ほどあった。「本番」では救助者の容体や天候の急変、日没などのプレッシャーの中で、慎重さ、迅速さ、連係力も問われる。 極めつきは寒さだ。頂上に近づくと森林限界を超え、風が強くなった。搬送を終えたら、今度は自分が低体温症や凍傷にならないよう、自己管理しなければならない。「北海道の2千m級の山の気象は、本州の3千m級に匹敵するイメージで捉えた方がいい」と隊員は話す。 夜は標高1300メートル付近で、4年ぶりの雪洞での野営訓練だ。 テントに比べて防風性が高く気温も下がりにくい雪洞には、緊急時に滞在したり、遭難者を休ませたりする場合がある。雪山では作成技術は必須だ。ただ、コロナ禍は「三密」や感染拡大リスクの観点から、訓練ができなかったという。 雪洞には数々の工夫が 作成は、重労働そのものだっ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
被爆体験「人生含めてつなぎたい」 俳優・宮崎香蓮さんの決意
【動画】長崎出身の俳優・宮崎香蓮さんが原爆について語る=吉田耕一郎撮影 長崎原爆をめぐる体験や核廃絶への願いを伝える朝日新聞長崎版の連載「ナガサキノート」が4千回を迎えた。証言や資料をもとに348人の人生の一部を紹介してきた。被爆の実相をどう次世代につなぐか。被爆証言に触れてきた、俳優の宮崎香蓮さん(30)=長崎県出身=に聞いた。 8月9日は当たり前のように意識する日付です。東京にいても、思いをはせて、黙禱(もくとう)などしています。毎年必ずブログを更新して、母から送ってもらった長崎の空の写真を投稿しています。 長崎で生まれて、平和教育を受けてきました。 子どものときに感じた「むごさ」 被爆者の方々の写真を多目的… この記事は有料記事です。残り1564文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「地元を走るのが夢だった」 北陸新幹線一番列車、運転士の思い
佐藤常敬2024年3月16日 9時50分 つながる北陸――。北陸新幹線の金沢―敦賀間が16日、いよいよ開業する。敦賀発、金沢発の一番列車を担うJR西日本の運転士と車掌4人は、いずれも北陸3県の出身者。午前6時11分の敦賀発東京行きの「かがやき502号」の運転士を務める浦松義幸さん(48)は「開業に努力された全ての人の思いとともに運転したい」と話した。 浦松さんは、福井県おおい町出身。1994年入社で、在来線の運転士を経て、2018年から北陸新幹線の運転士になった。JR西によると、敦賀新幹線列車区の40人の中で最年長の運転士だ。能登半島地震の被災地にも思いを寄せ、「開業で北陸全体が盛り上がり、被災地の早期復旧につながれば」と語った。 開業日の一番列車の運転を上司から告げられた際、「大変、光栄に思った。私で本当に良いのかという身の引き締まる思いだった」と振り返る。「福井県を新幹線で走るのが夢だった。思いが届いた」と言い、高校生の長男から「お父さんおめでとうと言われたのが一番うれしかった」と話す。 開業区間で一番のお気に入りは、やはり地元敦賀の町並みと話す。「乗客の皆さんには新北陸トンネルを出た後の敦賀の景色を楽しんでほしい」 この列車の車掌を務める和泉雅寿さん(41)は、富山県高岡市出身。「当日は安全第一を心がけ、乗客のみなさまに最高の一日を届けたい」と抱負を語った。 金沢発敦賀行きの一番列車「つるぎ1号」の運転士、新谷均さん(42)は、地震で被害の大きかった石川県珠洲市出身。車掌の寺沢篤人さん(38)は同県中能登町出身。新谷さんは「被災地の人たちに開業が明るいニュースとして届けばうれしい。北陸全体が盛り上がるように一生懸命頑張りたい」と力を込めた。(佐藤常敬) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「頂き女子りりちゃん」に懲役13年求刑 検察側「同種犯罪を助長」
渡辺杏果2024年3月15日 20時35分 「頂き女子りりちゃん」の名前でSNSで活動し、男性3人から計約1億5千万円をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われた渡辺真衣被告(25)の公判が15日、名古屋地裁で結審した。検察側は「入れあげていたホストをナンバーワンにするための犯行で、動機は短絡的で身勝手極まりない」として懲役13年・罰金1200万円を求刑した。判決は4月22日に言い渡される。 検察側は論告で、被告は真剣交際を求める被害男性3人の心理を逆手に取り、自らも3人に好意を抱いているような言動をして繰り返し金銭を出させた卑劣な犯行だと指摘。こうした手口をまとめたマニュアルを「頂き女子」として販売し、このキャッチーな呼称が社会に広く流布したことで、「世間の犯罪に対する心理的ハードルを下げ、同種犯罪を助長した責任も重い」と述べた。 一方、弁護側は詐欺の背景について「ホストに利用された」と主張。被告の年齢も考慮し、寛大な判決を求めた。 この日は詐取した約1億1千万円の税務申告を怠ったとする脱税事件の審理もあり、被告は起訴内容を認めた。(渡辺杏果) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「もっと『頂かなきゃ』と思っていた」 りりちゃん語った過去と後悔
「頂き女子りりちゃん」の名前でSNSで活動し、男性3人から計約1億5千万円をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われた渡辺真衣被告(25)の公判が15日、名古屋地裁で結審した。検察側は「入れあげていたホストをナンバーワンにするための犯行で、動機は短絡的で身勝手極まりない」として懲役13年・罰金1200万円を求刑した。判決は4月22日に言い渡される。 黒髪に白いスウェット姿で被告人質問に臨んだ渡辺被告。苦しかった生い立ちを語り、事件の背景については「信頼できる、相談できる大人がいなかった」と涙声で絞り出した。 小中学校では同級生にアトピ… この記事は有料記事です。残り436文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
H&Mの広告削除、「炎上した」で終わらせず リロン編集部から
アパレルブランドH&Mが豪州で展開した広告が「女児の性的対象化につながる」と批判され、削除・謝罪したことがネット上で話題になった。何が問題で、どう受け止めればいいのか。広告とジェンダーに詳しい写真研究者の小林美香さんに、日本の現状も交えて寄稿で読み解いてもらった〈3月4日配信「H&M広告削除が映す『子どもの人権』への姿勢 感覚麻痺(まひ)の日本では」(https://www.asahi.com/articles/ASS2Y4JTHS2XULLI001.html)〉 広告では、おそろいのワンピースを着た女児2人が、ピンクの背景の中で振り向くように立っていた。小林さんは、そえられた英語のキャッチコピーが性的なニュアンスを帯びていたこともあり、女児が「性的な意図も含む視線を向けられること(セクシズム)」や「外見で注目を集めて評価されること(ルッキズム)」を進んで受け入れるように誘導するメッセージとして読み取られた、と指摘。似たコピーが記された別の広告は問題になっていなかったとして、文言だけではなく写真にも「引っ掛かり」を感じさせる要素があったのでは、と分析した。 一方で小林さんは、この広告が明確な性差別的表現として問題視されたことが腑(ふ)に落ちるかと問われれば「おぼつかないものがある」とも記した。 なぜか。英語のニュアンスをつかみづらいこともあるが、日本で目にする広告に「あからさまに性差別的でルッキズムを助長するような表現」が多く、「日々膨大な広告に接する中で感覚が麻痺しているからなのかも」と小林さんは自問する。 広告表現をめぐっては様々な議論が起こる。「炎上した」で終わらせず、そこから得た教訓を、変化への起爆剤にしていければと思う。(編集長・佐藤美鈴) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Re:Ron 対話を通じて「論」を深め合う。論考やインタビューなど様々な言葉を通して世界を広げる。そんな場をRe:Ronはめざします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル