太平洋・マーシャル諸島に通い続ける日本人ダイバーがいる。美しい島が気候変動と放射能汚染に苦しむ様子を前に、「世界が直面する問題の縮図のような場所だ」と感じている。 2日、首都マジュロにあるエジット島。神奈川県葉山町から訪れた、プロダイバーで環境活動家の武本匡弘(まさひろ)さん(68)が、海岸沿いを歩いた。 辺り一面でサンゴ礁が死んでいた。気候変動による海面上昇で、海岸線が侵食され、白い砂浜はなくなっていた。貿易風が吹きつけ、波が立つ。 「恵みを与えてくれた海が、生活と命を奪おうとしている。波のザアーって音に恐怖を感じる」 北海道小樽市出身。両親は第… この記事は有料記事です。残り1099文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
船に書いた「アイラブユー」 津波で解体、家族が記した感謝の思い
日本海に面した石川県志賀町上野地区の港。2月上旬、ある漁船の「お別れ会」が開かれた。船の名前は「第18八幡丸」。陸に揚げられたままの船の窓は割れ、屋根も壊れている。解体を待っていた。 鍋島仁美さん(43)にとって、突然やってきたお別れの時だった。 つい1カ月ほど前まで、夫の正幸さん(48)が船長として乗り、魚を取り、家族の生活を支えてくれた船だった。 能登半島地震が起こった元日、宝達志水町にある実家で親戚と過ごしていた。夕方、突然下からどーんと突き上げるような大きな衝撃に襲われ、家の外に飛び出した。家は無事だったが、近くのがけに深い亀裂が走っていた。 地震後、港を見に行った人から「船は無事だ」と聞き、安心していた。それが、午後7時半ごろ、別の知人から連絡が入った。 「船がひっくり返っている」 いても立ってもいられず、正幸さんと2人、車で港に向かった。陥没したり崩壊したりした道を迂回(うかい)し、普段の倍近い1時間ほどかかりたどり着いた。網やロープとともに海面に赤い船底が浮かんでいるのが見えた。 「うちの船だ……」 港の底が見えるほどの引き波… この記事は有料記事です。残り1488文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません こどもと被災地 東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
美浜原発3号機の差し止め求める仮処分、大阪高裁が棄却 地裁を支持
森下裕介2024年3月15日 13時41分 運転開始から40年超の老朽原発として稼働中の関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)をめぐり、地元住民らが運転差し止めを求めた仮処分の申し立てについて、大阪高裁(長谷川浩二裁判長)は15日、却下した大阪地裁決定を支持し、住民側の即時抗告を棄却する決定を出した。 仮処分は福井県、京都府、滋賀県の住民が申し立てた。住民側は、周辺の活断層や敷地直下の断層によって原発の地盤がずれる可能性がある▽老朽化で重大事故の可能性が高まっている――などと主張した。 2022年12月の大阪地裁決定は、関電が新規制基準に沿って劣化状況評価などを実施し、原子力規制委員会が延長を許可したと認定。「40年以上経過していることをもって、新規制基準以上に安全性を厳格に判断しなければならない事情はない」などとし、申し立てを却下し、住民側が即時抗告した。 即時抗告審で住民側は、1月1日に発生した能登半島地震を念頭に、原発事故時の避難に対する懸念を改めて強調。原子力災害対策指針で「屋内退避」と定められている原発の5~30キロ圏内の住民の避難方法について、「揺れの強い地震では家が押しつぶされる恐れがある。避難経路が寸断された場合の規定もなく、避難計画は不十分だ」と訴えた。 原発の運転期間は11年の東京電力福島第一原発事故を受け、「原則40年」のルールができた。だが、規制委が認可すれば最長60年に延長できる規定があり、美浜3号機などに適用されている。さらに、23年5月成立の「GX脱炭素電源法」で、60年超の運転も可能となった。(森下裕介) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
靖国神社の新たな宮司に元海将の大塚海夫氏 自衛隊の将官経験者で初
靖国神社(東京都千代田区)は15日、新たな宮司として、元海上自衛隊海将の大塚海夫氏(63)が4月1日付で就任すると発表した。将官を務めた元自衛隊幹部の靖国神社トップへの就任は、初めてとなる。 靖国神社では14日に崇敬者総代会が開かれ、現職の山口建史宮司(75)が退任し、大塚氏が後任となる人事案に同意した。山口氏は3月末に退任する。 大塚氏は防衛大学校を卒業し、1983年に海自に入隊。自衛艦隊司令部幕僚長や海自幹部学校校長、防衛省情報本部長などを歴任し、19年に退官した。20年に元自衛官では初めて、自衛隊の海賊対応の拠点があるアフリカ東部ジブチの大使となり、昨年11月まで務めた。 旧日本軍の戦没者らがまつられる靖国神社は第2次大戦当時、陸海軍の管轄下にあり、鈴木孝雄・元陸軍大将が宮司を務めた。 敗戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の神道指令で国や旧軍から切り離され、民間の宗教法人に転換。宮司には元皇族や旧華族、神社関係者らが就いてきた。 宮司として1978年にA級戦犯を合祀(ごうし)した旧華族で旧軍の松平永芳氏が一時期、自衛隊に所属したことはあるが、自衛隊の将官経験者が宮司に就くことはなかった。(西本秀) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ビッグモーター「下請けいじめ」公取委勧告 単価引き下げや車検強要
公正取引委員会は15日、中古車販売大手のビッグモーター(BM)の「下請けいじめ」にあたる行為を多数認定し、下請法違反で勧告・指導を行った。発注書面が残っていないなどずさんな記録管理も明らかになり、第三者による実態調査を求める異例の勧告内容となった。 勧告と指導を受けたのは、中古車販売店ビッグモーターを運営するBM社と完全子会社のビーエムハナテン(ともに東京都)。 公取委が違反認定した行為は、業者への発注単価を一方的に27%も引き下げた▽作業中に車内に水をかけたとして業者に約100万円で車両を買い取らせた▽業者の社員やその家族に車検をBMで受けさせるよう強要した▽店舗の作業スペースの掃除や除草作業を無償で業者にやらせた、など多数に及んだ。 こうした行為は遅くとも20… この記事は有料記事です。残り531文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
保存期間過ぎた「機密書類」、銀行のトイレ紙に再生 客や学校に配布
山本知弘2024年3月15日 11時25分 保存期間を過ぎた「機密書類」をトイレットペーパーに再生する活動に、百五銀行(津市)が力を入れている。これまで社内限定で使っていたが、SDGs(持続可能な開発目標)への関心を広めたいと、投資信託を買った客や特別支援学校にも配ることになった。 1ロール65メートルのシングル巻きで、使い勝手は市販のものと変わらない。障害者雇用促進のための特例子会社「百五管理サービス」の発案で開発し、2022年から社内で使ってきた。木を切らずにつくることで二酸化炭素の排出量を減らす狙いがあり、年間約35トンの書類をリサイクルに回している。 社内で使う分以上の量を確保できるメドがつき、今春から外部にも配ることになった。同行の加藤徹也常務執行役員は「環境面だけでなく、多様性を尊重するSDGsの取り組みを広げるきっかけになればいい」と話す。 14日にはその第1弾で、卒業生が百五管理サービスで働く津市の稲葉特別支援学校に100ロールが寄贈された。県内の他の特別支援学校にも配るほか、4月からは三重や愛知などの店舗でも顧客へのサービス品に使うことにしている。(山本知弘) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
紛糾、県立大学無償化案 進学は1.7% 議会から「受益者少ない」
有料記事 鈴木春香 熊谷姿慧2024年3月15日 11時30分 斎藤元彦兵庫県知事が新年度予算案の目玉と位置づける、県立大の無償化をめぐり、県議会が紛糾している。最大会派の自民では賛否が割れ、他の会派も予算案の修正を求めている。異例の事態となった背景には、政策の効果や知事の政治姿勢に対する疑念がある。(鈴木春香、熊谷姿慧) 14日、最終盤の県議会予算特別委員会は「今まで聞いたことがない」(県幹部)展開となった。 採決される当初予算案について、自民会派は賛成の意向を示しながら、「付帯決議」をすることを提案。県側に今後、「議会との丁寧な議論」を求める内容だった。この提案は否決されたが、議会事務局によると、当初予算案に自民会派が付帯決議案を出すのは、記録が残る1959年以降初めてだった。 県立大進学は1・7% 自民が問題視したのは、斎藤… この記事は有料記事です。残り1433文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「せどり」方法指南し得た5千万円を脱税か 東京国税局が告発
花野雄太2024年3月14日 11時30分(2024年3月15日 11時40分更新) 市販品を仕入れて転売する「せどり」のノウハウを指南して得た利益を脱税したとして、東京国税局査察部が、東京都台東区の合同会社「シュアーズ」と佐野宗吾朗代表(38)を法人税法違反などの容疑で横浜地検に告発したことがわかった。 関係者によると、佐野代表は経費を架空計上したり、セミナー代金の一部を別口座に振り込ませたりして、2018年1月~21年11月に約1億9800万円の所得を隠し、所得税と法人税計約5千万円を脱税した疑いがある。 この約4年間の売り上げは3億数千万円にのぼり、大半はリアルやオンラインで開催したセミナーの収入だったという。脱税で得た金は証券投資などに充てていたとみられる。朝日新聞は同社に取材を申し込んだが回答はなかった。(花野雄太) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鹿島JV、陥没事故巡る不適切表現を謝罪 憤る住民「監視・盗撮だ」
東京都調布市で起きた東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事による陥没事故をめぐり、現場で地盤補修工事を行っている鹿島JV(共同企業体)は13日、地域住民に対して不適切な表現を用いた情報交換をしていたとして謝罪した。「住民を監視・盗撮していた」との指摘については否定した。 この問題は「しんぶん赤旗日曜版」が10日・17日合併号で報じた。記事によると、鹿島JVの社員が、現場周辺の住人たちの行動について、JV内のグループチャットに書き込んでいた。「家の中では薄着」「2Fベランダからお覗(のぞ)き中」などという記述のほか、画像を投稿することもあったと指摘している。 グループチャットでの表現「礼節欠いた」 鹿島は13日、チャットの利… この記事は有料記事です。残り615文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JR根室線最後の2日間、札幌から臨時特急 1日1往復で全席指定
JR北海道は、根室線富良野―新得間(81・7キロ)が3月末にラストランを迎えるのに合わせて、30、31の両日に札幌―富良野間を結ぶ臨時特急「ふらの」を運行する。鉄道ファンなど多くの利用が見込まれるため。16日からは同区間を走る普通列車と代行バスも毎日増便する。 臨時特急は1日1往復。下りは午前10時20分札幌発、上りは午後7時20分富良野発。観光列車「はまなす編成」(全5両)を使い、全席指定。普通列車(富良野―東鹿越間)と代行バス(東鹿越―新得間)は、現行の1日4~5往復から1往復ずつ増やす。 JR北は最終運行日の31日にお別れのセレモニーを計画中で、詳細は後日発表する。(新田哲史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル