渡部耕平2024年3月7日 19時22分 青森県八戸市で1月、宮本望愛(のの)ちゃん(当時5)に自宅の浴槽内で水をかけて放置し、低体温症で死亡させたとして、いずれも無職で母親の宮本菜々美(22)と内縁の夫の関川亮(31)の両容疑者が傷害致死の疑いで逮捕された事件で、青森地検は7日、2人の罪名を保護責任者遺棄致死罪に切り替えて起訴し、発表した。 起訴状などによると、2人は共謀して1月7日午後5時すぎ、市内の自宅で望愛ちゃんを浴室に連れて行き、服の上から水をかけて4時間以上放置し、低体温症で死亡させたとされる。 捜査関係者によると、関川容疑者はトイレを失敗した望愛ちゃんに「しつけ」と称して水をかけ、浴槽から出られないように閉じ込めていたという。宮本容疑者は、関川容疑者による虐待を黙認していたとみられる。 望愛ちゃんは、水の入った浴槽にうつぶせに倒れているのを宮本容疑者に発見され、病院に搬送後、死亡が確認された。当時、浴室内の温度は10度以下で、司法解剖の結果、望愛ちゃんの体の中心部の体温である深部体温は、重症とされる20~28度まで下がっていたという。(渡部耕平) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地質スケールでみる能登半島地震 日本海の誕生からつながる変動
強い揺れと津波、4メートルに及ぶ隆起をもたらしたマグニチュード(M)7・6の能登半島地震。発生前、地下で何があったのか。日本列島と日本海の成立から東日本大震災までかかわる大変動が背景にあるという。 地質のタイムスケールでみれば、2011年の東日本大震災は最近の出来事だ。M9の巨大地震の影響が能登半島地震にも及んだ可能性を、京都大防災研究所の深畑幸俊教授は指摘する。 巨大地震の発生前、本州は主に東西方向に押されて縮んでいた。縮むスピードが速い新潟から神戸にかけては「ひずみ集中帯」と呼ばれ、地震が起こりやすいとされた。 能登半島はひずみ集中帯からは外れているが、やはり北西―南東方向に押されて縮んでいた。 ところが、東日本大震災時、宮城県牡鹿(おしか)半島周辺で最大5メートル以上も東向きに地殻がのび、1メートル以上沈降した。地殻変動はその後も続く。 地球表面の硬い層の下には、長い時間をかけて流動する層がある。その層は、硬い層が動いた後に流動的となって表層の動きに逆らわなくなる。こうした影響で、本州が東西に縮む速さは鈍化、能登半島を押す力も小さくなった。 水はどこからきたのか ならば地震は起こりにくくなりそうなものだが、地下の現象は複雑だ。 「ふだんは、ぎゅうぎゅうに押されて、能登半島の地下深いところから上がってこられなかった水が、押される力がゆるんで上がってこられるようになったのではないか」と深畑さんは推定する。水があると岩盤が弱くなり、地震は起こりやすくなる。 水はどこからきたのか。東京… この記事は有料記事です。残り1351文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません こどもと被災地 東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
伊方原発の運転差し止め認めず 原告弁護団「四電の主張をうのみ」
有料記事 倉富竜太 安田朋起2024年3月7日 19時32分 【動画】四国電力伊方原発の運転差し止め訴訟で、原告の請求が棄却された=飯野祐平、高嶋健撮影 四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の運転差し止めを大分県民569人が求めた訴訟で、大分地裁は7日、訴えを棄却する判決を言い渡した。武智舞子裁判長は、主な争点だった地震と火山噴火に対する安全性について、対策は十分とする四電の主張をほぼ全面的に認め、「不合理な点はない」と判断した。原告は控訴する方針。 伊方3号機は、豊後水道を挟んで大分県の対岸にある。原告側は、四電が地震を想定する中央構造線断層帯より原発に近い位置に、別の活断層が存在する可能性を指摘。地下構造を詳しく探れる「三次元探査」で把握するべきだ、などと主張していた。 判決は、四電がボーリング調査や海底下への音波探査などを適切に組み合わせて地下構造を把握しており、三次元探査を行わなくても不合理ではないと判断した。火山についても、四電が想定した噴火規模や火山灰の降下量は合理的と認定。3号機が安全性に欠けるとは認められない、と結論づけた。 3号機をめぐっては、住民が… この記事は有料記事です。残り402文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「党首公選」を訴え除名の元共産党職員 「処分は違法」と提訴
金子和史2024年3月7日 19時35分 共産党の「党首公選」を訴え、除名処分となった元党職員の松竹伸幸氏が7日、党員としての地位確認を求めて東京地裁に提訴した。党の機関紙「しんぶん赤旗」の記事で名誉を傷つけられたなどとして、550万円の賠償も求めている。 訴状によると、松竹氏は2023年1月、党首の選出方法について、党の中央組織が選出する方法ではなく、投票で選ぶ「公選制」にすべきだと主張する書籍を出版した。党は、書籍の出版が「党内に派閥・分派はつくらない」などとする党規約に違反するとして、翌月に除名処分とした。党の最高機関である党大会は松竹氏の再審査請求を却下した。 松竹氏側は、党規約は憲法が定めた出版の自由を侵害する、と主張。処分に際して意見表明の機会などがない手続きも不適正で、処分は違法だと訴えている。 最高裁は1988年、やはり共産党の除名処分が問題になった訴訟で、処分が内部的な問題にとどまる場合、「自立的な解決に委ねられるのが相当」とし、裁判所の審査権が及ばないと判断。松竹氏側は「政党のあり方は国民の重大な関心事」だとして、判例の変更を求めている。 共産党は「提訴は全く不当なものだ。処分は厳正かつ適正に行われ、最終的に決着済みの問題だ」とコメントした。(金子和史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
学校でタブレット故障多発、情報教育に詳しい校長が後任の教育長へ
能登智彦2024年3月7日 21時36分 県立学校に配備した「1人1台」のタブレット端末の故障が相次ぎ、徳島県教育委員会の榊浩一教育長(60)が責任を取る形で退任の意向を固めたことを受けて、後任に同県東みよし町立昼間小学校の中川斉史(ひとし)校長(58)の起用が固まった。中川氏は情報教育に詳しく、故障対応にもあたっており、県と県教委が適任と判断したとみられる。 県は7日までに一部の県議らに伝えており、開会中の県議会定例会に後任人事案が追加提案される見通し。 県教委などによると、中川氏は県内の学校教諭などを長年務め、学校現場に精通している。昨年4月から現職。 「教育情報化コーディネータ1級」の認定を受け、タブレット故障問題で県と県教委が昨秋に緊急組織した「教育DX加速化委員会」(委員長=伊藤大輔副知事)の副委員長を務めている。子どもらに端末やネットワークなどを整える「GIGAスクール構想」関連の著書もある。 中川氏は7日、朝日新聞の取材に「コメントできない」と述べた。 県立学校のタブレット問題では、2020年度に配備した1万6500台のうち半数以上が故障した。榊教育長が来年3月の任期満了を待たずに退任する意向を固め、後藤田正純知事も交代させる考えを示唆していた。(能登智彦) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
被災地・輪島の住宅でミカン6個盗んだ大学生に有罪判決 金沢地裁
能登半島地震で被災した石川県輪島市の住宅に侵入し、ミカン6個(約3千円相当)を盗んだとして、住居侵入と窃盗の罪に問われた愛知県の男子大学生の被告(21)に対し、金沢地裁は6日、懲役1年6カ月執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月)の判決を言い渡した。 判決などによると、大学生は1月5日午前8時40分ごろ、輪島市内で玄関扉をしばっていたひもを外して住宅に侵入し、ミカンを盗んだ疑いで石川県警に逮捕された。逮捕時には「ボランティアで来ていた」と話していたという。 起訴内容を認めており、野村充裁判官は判決理由を「地震発生から4日も経過していない混乱した状況下で、被災者の住宅に侵入し貴重な食料を盗んだもので悪質。事実を認めて反省の態度と更生の意欲を示している」と述べた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません こどもと被災地 東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
黒部宇奈月キャニオンルート10月に延期 地震でトロッコ復旧に時間
小西良昭2024年3月7日 21時00分 黒部峡谷の電源開発の歴史をたどれる新たな観光コース「黒部宇奈月キャニオンルート」の開放が、能登半島地震の影響で10月1日ごろに延びる。出発点になる黒部峡谷鉄道の全線開通が同日ごろになるため。旅行商品の発売は7月上旬を見込む。富山県が7日、発表した。 キャニオンルートは同鉄道の欅平(けやきだいら)駅(富山県黒部市)から上流の黒部ダムまでの約18キロ。地中を200メートル昇降する工事用の竪坑(たてこう)エレベーター、トロッコ、急傾斜を昇降するインクラインなどの乗り物、「高熱隧道(ずいどう)」と呼ばれるトンネルなどが見どころだ。旅行商品は1泊2日で1人13万円程度を見込む。 欅平駅は始発の宇奈月駅からトロッコ電車で約20キロだが、地震による落石で、宇奈月駅の上流約14キロにある鐘釣橋の桁や枕木が破損。同社によると、復旧工事は雪解け後の4月末以降になり、欅平までの全線開通は10月1日ごろになる。 商品発売は当初、1月29日、旅行開始は6月30日をそれぞれ予定していた。 新田八朗・富山県知事は「天災による延期でやむを得ないが、黒部川水系の開発の歴史をたどれるツアーの中身が損なわれるものではない。宇奈月温泉など観光業界へのダメージは県を挙げて回復していく。業界のみなさんは前を向いていただきたい」と述べた。(小西良昭) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「被災者に光を示した」「大きな見識失った」 五百旗頭さん悼む声
6日亡くなった政治学者の五百旗頭真さんは、東日本大震災や熊本地震の復興に向けた有識者会議でトップを務め、リーダーシップを発揮した。「一つの見識を失った」。ゆかりのある人たちから悼む声が相次いだ。 2011年、東日本大震災の翌月に発足した復興構想会議。議長となった五百旗頭さんは「創造的復興」を掲げた。 「被災者にとって光が見える言葉だった。頼りにしていた方だった」。震災時に岩手県陸前高田市の市長だった戸羽太さん(59)は振り返る。 ともに10年近く復興行政に携わった岡本全勝・元復興庁事務次官は「政権内に防災・減災の哲学を植え付けた」と五百旗頭さんの功績を語った。 「100年に1度の津波は防ぐ。千年に1度の巨大な津波は逃げて被害を減らす。明確に考えを示してくれたおかげで、被災した宅地の高台移転をしやすくなった」 宮城県の村井嘉浩知事は「現在、復興の総仕上げの段階まで歩みを進められてきたことは、(五百旗頭さんの)強いリーダーシップのお陰だ」とのコメントを出した。 政治学者の五百旗頭さんが災… この記事は有料記事です。残り755文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません こどもと被災地 東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
携帯、スマホながら運転の死亡・重傷事故、昨年122件 過去最多
自動車運転中に携帯電話やスマートフォンを使う「ながら運転」による死亡・重傷事故が昨年、全国で122件発生し、統計のある2007年以降で最多となったことが警察庁のまとめでわかった。ながら運転の罰則が19年に強化されていったん減ったが、直近は3年連続で増えた。 警察庁の露木康浩長官は7日の記者会見で「携帯電話などを使用しながらの運転は非常に危険で、絶対にやめていただきたい」と訴えた。 警察庁によると、昨年、自動車運転中の携帯やスマホの使用が原因となった死亡事故は前年より6件多い25件で、重傷事故は28件多い97件起きた。合わせると前年比約4割増の122件で、これまで最多だった18年の107件を上回った。軽傷を含む人身事故全体でも、127件増の887件で3年続けて増えた。 ネットやSNS、ゲームで 事故を起こした車の運転者がスマホなどを使っていた目的では、死亡・重傷事故122件のうち107件がネットやSNS、ゲームなど画像の使用、15件が通話だった。 死亡したのは26人(前年比7人増)で、うち14人が車に衝突されるなどした歩行者だった。重傷者は109人(同37人増)で、車に乗っていた人(同乗者を含む)が49人で最多で、歩行者21人、二輪車17人、自転車16人と続いた。 スマホなどのながら運転による事故が死亡事故に至る割合は、それ以外の場合に比べ3・8倍高いという。 ながら運転による事故や違反の防止をめざし、罰則を強化した改正道路交通法が19年12月に施行された。刑事罰が6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金に、行政処分の反則金も普通車が1万8千円に引き上げられた。事故など「交通の危険を生じさせた」場合は全て刑事手続きの対象となった。その結果、20年にはながら運転による事故が大きく減ったが、21年から再び増えている。(編集委員・吉田伸八) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
阪神・岡田監督「今年はこの目標しかないんで」 絵馬に書いた2文字
29日のプロ野球開幕を前に、阪神タイガースの岡田彰布監督と選手、球団関係者らが7日、兵庫県西宮市の西宮神社を参拝した。岡田監督は「もう今年はこのひとつの目標しかないんで」と、「連覇」と書いた絵馬を奉納。2年連続日本一を誓った。 この日午前10時ごろ、選手らを乗せたバスが神社に到着。ユニホーム姿の選手らは、「六甲おろし」が流れる境内を歩いて祈禱(きとう)殿に向かい、必勝祈願祭に参列した。おはらいを受けた後、杉山健博オーナーや岡田監督らが玉串を奉納。杉山オーナーが必勝祈願札、選手らが「必勝守り」を授かった。 岡田監督は報道陣の取材に… この記事は有料記事です。残り239文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル