国際女性デーの8日は「ミモザの日」。ふわふわした黄色い花のミモザは日本でも人気が高いが、品薄状態が続いている。 「8日より前の出荷は、明日が最後です」。千葉県南房総市久保で半世紀以上続く切り花農家の長作園(ちょうさくえん)を経営する3代目の西宮哲也社長(55)に4日、電話をすると、そう教えてくれた。 西宮さんはミモザ栽培の第一人者で、長作園の出荷量は国内トップクラス。畑を訪れると、満開のミモザが斜面に広がっていたが、すべての花は市場に出せない。その原因は、県内で夏日を観測した2月20日の高温で、一気に開花したからだった。 本来はつぼみがある状態で枝を切り、加温室で均一に花を咲かせる。今年は一部でその工程ができず、出荷を断念した。 長作園がミモザを出荷する卸売会社の「フラワーオークションジャパン」(東京都大田区)によると、入荷のピークは2月23日だった。担当者は「2月20日の夏日とその後の雨の影響で、例年よりピークがずれている」と話す。 8日にミモザが足りなくなるのは、今年だけの話ではない。 長作園のミモザは年末から注… この記事は有料記事です。残り800文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Think Gender ジェンダー(社会的・文化的につくられた性差)について知る「入り口」となる言葉やできごとをカードにしました。裏面に解説があります。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「サザエさん」における磯野家の次女ワカメの役割とは?企画展も人気
中村英一郎2024年3月7日 15時00分 「長谷川町子記念館」(東京都世田谷区)で開催中の企画展「わかめちゃん」が、予想を上回る人気となっている。漫画「サザエさん」に登場するキャラクターの「単独」企画展は、同館では初めて。企画した学芸員が語る、磯野家の次女・ワカメの魅力とは――。 企画展は昨年12月から始まった。企画した同館学芸員の長澤有記さん(40)が意識したのは、「ワカメちゃんの魅力が伝わること」。会場には、ワカメを主人公にした連載漫画「わかめちゃん」や絵本シリーズ、雑誌、原画など、厳選した240点が展示されている。 ワカメが単行本「サザエさん」の表紙に登場する回数は、主人公サザエの1位(68回)に次いで2位(47回)。3位のカツオ(39回)を上回っており、原作者長谷川町子さんのワカメへの思い入れは強そうだ。 同館によると、長谷川さんはワカメのモデルを明言していないが、ワカメの天真らんまんな物言いや、甘えん坊な一面など、「読めば読むほど町子自身の幼少期をほうふつさせているようにも思える」とする。 長澤さんは「サザエやカツオが家族の中心というイメージがあるが、大人ぶった発言で家族をほっこりさせるワカメは、実は家族のムードメーカー的存在」とワカメの磯野家での役割を分析する。「アニメでは優等生のイメージだが、原作では子供らしいしぐさが魅力の、活発な女の子なんです」と熱っぽく語る。 企画展は当初の予想を上回る来場者数を記録しており、ワカメちゃんファンの多さに改めて気づかされたという。「大人からするとわが子や妹のように、子供は友達のように感じているのでは」と、幅広い年齢層から愛されているワカメの魅力が伝わっているという手応えを感じている。 企画展は3月24日まで。入場料は一般900円。ワカメをデザインしたTシャツやエコバッグなどワカメグッズも多数販売している。問い合わせは同館(03・3701・8766)。(中村英一郎) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
AIモデルと握手、町長「会った気もして怖くなる」 移住促進に期待
町長は本物。でも、写真で握手している相手の女性は実在していない人物だ。 女性は、生成AIがつくったモデルの「藤原れい」さんで、福島県楢葉町の移住促進PR大使に就任した。藤原さんはSNSで活動するインフルエンサー。松本幸英町長との握手のほか、町長と委任状を掲げるツーショット写真も公開している。 大手インターネット広告会社の出身者が起こした「Les」社が生み出した藤原さんは、昨年5月にインスタグラムで活動を開始。今年2月現在のフォロワーは約3万5千人に達している。昨年11月には紙書籍のグラビア写真集も発売し、あまりのリアルさから、ネット上では実在するのかどうかの議論も起きた。 この様子を見つけたのが、楢… この記事は有料記事です。残り797文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ルフィ」事件のトップ、タイでも特殊詐欺指示か 窃盗容疑で再逮捕
福冨旅史 三井新2024年3月7日 15時11分 「ルフィ」などと名乗って一連の強盗事件を指示したとされるフィリピン拠点特殊詐欺グループトップの渡辺優樹容疑者(39)=強盗致死罪などで起訴=について、警視庁は7日、タイを拠点に特殊詐欺を指示した詐欺や窃盗などの容疑で再逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。 警視庁は、渡辺容疑者がタイで特殊詐欺を指示した後、フィリピンに移り、特殊詐欺や強盗事件を指示したとみている。 捜査2課によると、渡辺容疑者は別の人物と共謀して2017年8月下旬ごろ、警察官をかたって新潟県内の70代女性に電話をかけ、訪問してキャッシュカード2枚をだましとり、現金計約40万円を引き出して盗んだ疑いがある。タイから指示したとみている。 フィリピンだけでなくタイでも 呼び名は「フォー」 同課は、渡辺容疑者は17年8~12月、今回の逮捕容疑も含めて35件、計約5千万円をタイからだまし取ったとみている。16年1月以降に日本とタイを行き来し始め、17年12月ごろにタイからフィリピンに移ったという。 タイではパタヤのコンドミニアム内に四つの拠点を持ち、うその電話をかける「かけ子」を計十数人抱えていた。かけ子らからは「フォー」と呼ばれていたという。(福冨旅史、三井新) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【そもそも解説】裁判所は原発を止められるのか 事故後に相次ぐ判断
四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の運転差し止めを求めた訴訟の判決が7日、大分地裁で言い渡される。裁判所は原発を止めることができるのか。原発の稼働状況はいまどうなっているのか。 Q 原発の運転を認めなかった判決はこれまでにいくつあるのか。 A 2011年の東京電力福島第一原発事故後に運転を認めなかった判決は4件ある。14年5月に福井地裁が関西電力大飯原発3、4号機(福井県)に対して地震対策の不備などを理由に、21年3月に水戸地裁が日本原子力発電東海第二原発(茨城県)に対して重大事故時の避難計画の不備などを理由に、22年5月に札幌地裁が北海道電力泊原発1~3号機に対して津波対策の不備などを理由に、それぞれ運転を差し止める判決を出した。このほか、大阪地裁が大飯3、4号機について、地震対策が不十分などとして原発稼働の前提となる原子炉設置許可を取り消す判決を20年12月に出した。 Q 判決で原発は止まったのか。 A 止まっていない。判決は… この記事は有料記事です。残り827文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地震で見え方が変わった故郷 第1志望に合格した中3が心に決めた夢
見渡す限り、山ばかり。新商品が発売されても、売っている店が近くにない。退屈な毎日……。 石川県珠洲市の緑丘中学校3年の山元浩花さん(15)は将来の夢に向けて受験勉強をしていたが、これまで故郷で働きたいと思ったことはなかった。 でも、地震が起きて考えが一変した。第1志望の高校に合格し、12日、卒業式を迎える。 元日の夕。山元さんが自宅で社会科の参考書を開いていると、激しい揺れに襲われた。勉強机の下に潜り、悲鳴を上げながら収まるのを待った。 自宅は近くの港から2キロほど。テレビで津波警報が出たので、近所の人の車で急いで内陸に逃げた。初詣に出かけていた父の車と合流して車中泊し、翌日自宅に戻った。 倒壊を免れた自宅で、物が散乱した部屋を片付けていると、すぐに時間が過ぎる。「いまごろみんな机に向かってるのかな」。焦ってきた。 集団避難を選ばなかったわけ 勉強は1月5日から再開。停… この記事は有料記事です。残り1063文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
受験生の聖地「落ちない石」 壊した都会の大学生に住民執念の罰金刑
巨石が手で押すとゴトゴトと揺れ動く。その様子から、「崖っぷちから落ちそうなのに、落ちない」と評判になり、受験生らが多く訪れていた高知市の「ゴトゴト石」。 そんな石を動かなくしたとして、関東の大学生6人が器物損壊罪で略式起訴され、高知簡裁から罰金刑を命じられた。 長年にわたり石を大切にしてきた住民たちの「怒り」が、刑事処分につながった。 高知市北部の土佐山地区(旧土佐山村、2005年編入)の山中にゴトゴト石はある。 球状で直径約1・5メートル、重さは推定6トン。 絶妙なバランスで崖の上にあり、人が押せば揺れるのに、起き上がりこぼしのように戻る。 「不思議な石」「受験生の聖地」として新聞やテレビで全国に紹介され、人口約880人の同地区の観光名所になっていた。 しかし、2022年11月27日、石が90度ほど水平方向に回転し、動かなくなっているのが見つかった。 高知地検によると、大学生6人は11月26~27日、石の底にノミなどの工具を突き立てたり、丸太を挟み込んだりして石を固定させて使用不能にした。 関係者によると、大学生は男5人と女1人で、ゴトゴト石を知り、「俺たちで落としてやろう」と26日朝にレンタカーで東京を出発した。 26日夜に高知へ着き、石を押してみたが、揺れるばかりで落ちない。 大学生は「ゴトゴト石」を落とすことに執着しました。「地域の宝」をけがされた地元住民たちは怒り、行動を起こしました。 いったん愛媛県内の商業施設… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
恐怖を乗り越えた先に ブラインドランナー井内さん、パリを目指して
生まれつき目が不自由なブラインドランナーの井内(いのうち)菜津美さん(34)=京都府宇治市=は、8月開幕のパリ・パラリンピック出場を目標に据える。駅のホームから転落するという恐怖の体験を乗り越え、自身初のパラでメダルを狙う。 井内さんは中学・高校時代は陸上部で、伴走者と中長距離を走った。2019年8月から、みずほフィナンシャルグループに所属。フルマラソンの日本記録(3時間12分55秒)、5千メートルのアジア記録(20分28秒06)、1500メートルの日本記録(5分30秒41)などを保持する。 思わぬことが起きたのは昨年11月5日。一人で白杖(はくじょう)をついて練習に向かう途中、電車を乗り換えるために降りた京阪本線七条駅のホームから転落した。目が見えないなか、電車の音が迫る。「みんなとさよならなんだ」と覚悟した。 「あの経験より怖いことはない」 線路と線路の間で体を縮めて… この記事は有料記事です。残り864文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
能登半島地震、寺社の復興どうすれば? 信者に頼れず、行政支援なし
能登半島地震では、多くの寺社も被害を受けた。高齢化が進む檀家(だんか)や氏子も被災し、再建に向けた寄付を頼みにくい。政教分離から行政の支援も期待できない。地域コミュニティーの中心であり、文化の継承に欠かせない寺社の再建は進むのか。 石川県輪島市で、大火に見舞われた「朝市」に近い長楽寺。本堂や庫裏が全壊し、2月下旬になっても撤去作業はほとんど進んでいない。 住職の上野共之(ともゆき)さん(69)は、崩れ落ちた本堂から仏具などを探し出してきたが、本尊は見つかっていない。 寺院は地震保険には加入していなかった。本堂や庫裏が広いため掛け金が高く、入れなかったという。再建には門徒(檀家)の協力が頼みだが、「自分の生活がどうなるかもわからない門徒さんに、寄付を頼むことは、しばらくは難しい」と話す。 真宗王国、地震の前から維持難しく 石川県は、浄土真宗の中興の祖、蓮如(れんにょ)が室町時代に北陸で布教したことから「真宗王国」と呼ばれる。江戸時代には北前船の交易が盛んになり、経済的に豊かになったことで寺の規模が大きくなった。なかでも京都の東本願寺を本山とする真宗大谷派の寺が多い。 同派によると、輪島市や珠洲市など能登教区に353寺あるが、今回の地震で約9割の約320寺に被害があり、うち本堂や庫裏の大規模被害は約70寺に上る。 地域では過疎化が進み、門徒も減少。耐震化されていない本堂も多かった。そこへの地震だ。市仏教会の会長でもある上野さんは「もっと田舎のほうでは、廃寺や合併する寺も出てくるかもしれない」と話す。 寺だけでなく、神社の被害も大きい。石川県神社庁によると、輪島市、珠洲市、能登町、穴水町の奥能登には440社あり、大きな被害が出たという。 能登半島の先端にある須須(すず)神社(珠洲市)は、昨年5月の地震で壊れた建物もあり、復興を進めている最中だった。 元日の地震で社殿の二つが全壊。鳥居は壊れ、こま犬や灯籠(とうろう)も倒れた。 権禰宜(ごんねぎ)の多田千鶴さん(44)は、津波で甚大な被害が出た氏子らが身を寄せる避難所に物資を運ぶ。3月1日からはクラウドファンディングを始め、再建費用や地域のまちづくりに向けた資金を募っている。「地域の人とともに続いてきた神社。地域の文化を守っていくためにも、心のよりどころである神社仏閣が続くように支援してほしい」と話す。 過去の震災では地域コミュニティー施設の再建支援という形で公的な補助が出ました。記事の後半で、支援策を探ります。 内閣府によると、国の被災者… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
能登半島地震で研究者が指摘 残るM7級、3メートルの津波のおそれ
元日の能登半島地震から2カ月あまり、余震の数は減っていますが、まだ油断はできないと考える専門家もいます。東京大地震研究所の佐竹健治教授に聞きました。 ――マグニチュード(M)7・6の能登半島地震の発生直後は、テレビに出演し「後から来る津波が大きくなる可能性がある、日本海の津波は長く続く」などと解説しながら、避難を呼びかけました。 東日本大震災では、避難した後、家に物を取りに帰って、津波に襲われ亡くなった方がいたので、そういうことがないように呼びかけました。日本海で発生する津波は長引くことはわかっていたので。 ――その後、能登半島周辺で地震が起こる可能性が残っていると指摘しました。 地震後のシミュレーションで、能登半島北方沖の「NT4、5、6、8」と名付けた活断層が動いたとすると、津波を再現できました。その東には「NT2、3」という断層がありますが、こちらはほとんど動いていないという結果になりました。 地震が発生していない場所は、今後、発生する可能性があるということです。それははっきりと言えるので、伝えなければいけないと思い発表しました。NT2、3で地震が起これば、M7級になり、佐渡島を含む新潟県沿岸で3メートル程度の津波が予測されます。 ――地震前に海底活断層が調… この記事は有料記事です。残り1260文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル