プロ野球日本シリーズが20日に始まり、オリックスがヤクルトと戦う。阪神・淡路大震災があった1995年に神戸の球団としてシリーズに初出場し、翌年は日本一になったオリックス。「がんばろうKOBE」を掲げて戦う姿に勇気づけられた神戸のファンたちは、チームが大阪に移っても、当時の思いを忘れてはいない。シリーズ第6、7戦は神戸である。
店を焼失、ベニヤ板に商品並べた
神戸市長田区の大正筋商店街。日本茶販売店の伊東正和さん(72)は今年、新型コロナ禍で閑散とした通りを眺める日々が続いた。
「生活が成り立たんというところまでいった」。飲食店からの注文がほぼなくなり、来客も4割ほど減ったという。
気持ちを奮い立たせてくれたのが、昨季まで6年連続Bクラスだったオリックスの大躍進だ。
四半世紀前の記憶が重なる。阪神大震災で商店街のほとんどの店が焼失した。伊東さんの店もだ。
1カ月後、大阪で店を営む兄に分けてもらった急須や茶葉をベニヤ板に並べ、商売を再開させた。
何とか立ち上がろうとしていた時、選手らも被災したオリックスが、快進撃を続けていた。もとは近鉄ファンだった伊東さんも、とりこになった。
6月にできた仮設商店街には…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル