【動画】別府で見つかった温泉のなかでくらす貝、オンセンゴマツボ=北九州・魚部提供
まちのあちこちで源泉が湧く大分・別府市。
観光客でにぎわう血の池地獄などの「地獄めぐり」から車で10分ほど離れると、細い路地に民家が立ち並ぶ。一見、なんの変哲も無い住宅街だ。
ここをフィールドのひとつに水辺の生きものと人の暮らしのかかわりを調査しているNPO法人「北九州・魚部」理事長の井上大輔さん(52)は5月、側溝の水面の下に見慣れない小さな貝がいるのに気づいた。
「なんじゃこれは」
貝がつかる水は温かい。
別府では自宅に温泉を引く家庭が多く、その温かい水が水路にも流れ込んでいるためだ。
川で見られるミズゴマツボの仲間ではないかと思ったが、知っている種とはどうも違うようだった。
思いあたる貝はほかにもあったが、その貝はここではいなくなったはず……。
井上さんは県に連絡し、6月に県のレッドデータブックの調査員とともに現地を訪れた。
すると、おんせん県・大分の固有種とされる巻き貝「オンセンゴマツボ」と確認された。
オンセンゴマツボとはどのような貝で、なぜ側溝で見つかったのか。専門家は、近縁の種も含めて謎が多い貝であると指摘します。
オンセンゴマツボは殻長4ミ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル