能登半島地震からまもなく3カ月。石川県輪島市の朝市通り周辺は、火災で焼け落ちた建物がそのまま残り、被災当時と変わらない状況だ。
朝市通りで「饅頭(まんじゅう)処つかもと」を営んでいる塚本圭一郎さん(43)は、父の健治さん(76)、母の民子さん(72)と、この場所での再開を願っている。店は名物「えがらまんじゅう」で知られていて、他県から買いに来る人もいたという。
「店が焼け落ちて、ゼロになってしまった。またこの場所でやりたい気持ちが強いが、この状況を考えると長いたたかいになる。同年代の人たちは輪島で頑張りたいという人も多い。またみんなでできれば」と圭一郎さん。
母の民子さんは「火事ですべて焼けてしまった。今年に入って収入はゼロ。でも輪島は大好きなので、ここでの『なりわい』にこだわりたい」と話した。
家族は近くにある仮設住宅で暮らしているが、天気のよい日には、夕方ごろに店跡に来て近所の人と立ち話をしたりして過ごす。「仮設住宅でじっとしていると気がめいってしまう」と圭一郎さん。
同店では復興を目指し、クラウドファンディングで支援を呼びかけている。(吉田耕一郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル