山口啓太
取材の移動のためだと偽って旅行会社から新幹線の乗車券などを詐取したとして、警視庁は1日、NHK子会社「NHKグローバルメディアサービス」(東京都渋谷区)の元社員川崎健治容疑者(44)=東京都日野市南平6丁目=を詐欺容疑で逮捕し、発表した。調べに対し、「間違いありません」と容疑を認めているという。
捜査2課によると、川崎容疑者は同社スポーツセンターの庶務・経理を担当していた昨年10月ごろ、東京都渋谷区の旅行会社に虚偽の申込書を提出し、同社から乗車券と特急券計120枚(販売価格計約105万円)をだまし取った疑いがある。Jリーグや大相撲九州場所などの取材で大阪や博多にスタッフが移動するためだと偽り、その日のうちにすべて換金して約101万円を得たという。
同課は、川崎容疑者が同様の手口を繰り返し、2017年7月~21年10月に計780回、総額約1億8千万円の不正な購入をしていたとみている。換金して得た現金の一部は新たな購入代金に充てていたが、約1億8千万円のうち約2800万円が未払いになっており、川崎容疑者の住宅ローンの支払いや遊興費に使われたとみられるという。
川崎容疑者は21年11月に渋谷署に出頭。NHKグローバルメディアサービスは同年12月に川崎容疑者を懲戒解雇とし、今年5月に警視庁に刑事告発していた。同社は「深くおわびします。今後このようなことがないよう再発防止策を徹底して参ります」とコメントした。
同社は「クローズアップ現代+」や「NHKスペシャル」などの番組制作に携わるNHK子会社。(山口啓太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル