塩入彩
出生時に医師が判別した性別と性自認が異なるトランスジェンダーの人権や尊厳を訴える「東京トランスマーチ」が12日、東京都新宿区であった。昨年に続き、2回目の開催。のべ約1千人の参加者が「トランス差別に反対します」などのメッセージを掲げ、街を歩いた。
迫害の対象になるなどし、望まない形で亡くなったトランスジェンダーを悼む20日の「国際トランスジェンダー追悼の日」を前に、当事者として情報発信をしてきた浅沼智也さん(33)や畑野とまとさん(57)が企画した。
日本でも近年、トランスジェンダーへの誤解や偏見に基づく差別的な言説が増えた。パレードに先立ち、浅沼さんは「LGBTQという言葉は浸透したが、トランスジェンダーの問題が解決し、どんな生き方でも否定されない状況かというと、そうではない」と指摘。「(マーチを通し)孤独を感じる当事者には『一人じゃないよ』と伝えたい。非当事者には、トランスジェンダーの人たちが身近にいる、共に生きているということを知ってもらいたい」と語った。
その後、参加者は、トランスジェンダーの権利運動で使われるピンク、水色、白のフラッグなどを掲げながら、差別の根絶や連帯を訴えた。青森県から来た20代の参加者は「ここでは差別されない安心感がある。仲間がいっぱいいて、楽しかったです」と話した。(塩入彩)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル