「プーチンを選んだロシア人が悪い」「なんで大統領を代えないの?」
ロシア人に向けられたSNSの投稿を目にして、東京に住むロシア人女性のアレクサンドラ・ペトロワさん(仮名・27)は批判されて当然と冷静に受け止める。その上で自身のSNSに、こう投げかけた。
「私たちが本当に戦争を選んだと思いますか」
来日8年目のペトロワさん。母国の家族や、自身の安全を担保するため、匿名で取材に応じた。
ロシア第2の都市、サンクトペテルブルクで生まれ育った。日本のロックギタリスト「MIYAVI」のファンになったことがきっかけで日本文化に興味を持ち、19歳の時に来日し日本の大学に入学した。卒業後も日本に残り、現在は都内の企業で働いている。
2月24日、目覚めるとスマートフォンにロシアに住む友人からのメッセージが届いていた。
「君はロシアを出て日本にいて良かったね」
何のことか分からなかったが、胸騒ぎがした。ここ数日、ロシア軍がウクライナ国境付近に迫っているニュースを気にかけていたところだった。すぐにインターネットで調べると、ロシア軍がウクライナの軍事施設を空爆したニュースが出てきた。胸騒ぎは的中していた。
その日は仕事が全く手につかなかった。一日中スマートフォンを眺め、ロシア語、ウクライナ語、英語のニュースを読みあさった。
「プーチンに祖国を奪われた気分だ」
ロシアが築いてきた世界との関係が、一夜にして崩れて無くなった。そう感じた。
「ウクライナに平和を。ロシ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル