東京裁判で死刑になったA級戦犯だけでなく、横浜などで裁かれたBC級戦犯についても、刑死者の遺体を日本側に渡さず火葬し、海で散骨するよう指示していた73年前の米軍の公文書が見つかった。戦犯の遺骨が戦争の美化に使われないようにとこだわる米軍の姿勢がうかがえる。
「処刑された戦犯の埋葬と墓地登録に関する最終処分と方針」と題するこの文書は秘密指定を解除され、米国立公文書館に保管されていた。日本大学の高澤弘明専任講師が発見した。
1948年8月13日付で、連合国軍と米極東軍の最高司令官を兼ねる「マッカーサー元帥の命令」として発出された。米極東軍の傘下で日本占領にあたった米陸軍第8軍と、日本が侵略したフィリピンに反攻後に駐留していた米フィリピン軍に指示を伝えている。
文書は「処刑された戦犯の遺体は火葬し、遺灰を海に捨てるように」と指示。さらに「管理下の遺体は速やかに掘り出し、速やかに同様に処理することが望ましい」としている。
この指示の時点で、侵略戦争…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル