机美鈴
LGBTQといった性的マイノリティーへの差別や偏見をなくし、多様な生き方を認め合おうと呼びかける「レインボーパレード」が全国に広がるなか、奈良でも28日に初開催される。主催者は「奈良は保守的な土地柄。だからこそ、実施する意義がある」と語る。
奈良レインボーフェスタ実行委員会は、2018年からLGBTQ当事者が集うイベントを年1回開催し、地域にも定着してきたが、「集まるだけでなく、広く発信することができるパレードを行いたい」との思いを温めてきた。
代表の定政輝(さだまさひかる)さん(33)=奈良県斑鳩町=は女性として生まれ、性別適合手術を受けて戸籍を男性に変更したトランスジェンダーの一人だ。10年以上前から県内を中心に性的マイノリティーへの理解を深める講演活動をする一方、当事者と交流し、相談会なども開催してきた。
「周囲の理解が乏しい」「カミングアウトできない」、そんな理由で奈良を出て都市部で暮らさざるを得ず、帰ってきたくても帰れない、当事者からはそんな悲痛な声を聞いてきた。
同性カップルなどの関係を公的に認めるパートナーシップ制度があるのは県内6自治体にとどまるという。定政さんは「理解者や応援してくれる人が少なく、当事者が声を上げにくく、変化が起きづらい、この悪循環を断ちたい。帰ってこられる、住み続けられる奈良にするために、一緒に声を上げたい」と語る。
パレードは100人程度の参加者を見込む。午前10時にJR奈良駅前に集合。三条通りから奈良公園前、県庁を通る約3キロのコースで、正午ごろ終了予定。
29日午前10時半~午後3時半は馬見丘陵公園集いの丘(広陵町)で、6回目となるレインボーフェスタを開催する。(机美鈴)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル