中国で感染が拡大している「新型コロナウイルス」による肺炎をめぐり、箱根にある駄菓子店に掲示されたある張り紙が物議を醸している。
「コロナウイルスをばらまく中国人は入店を禁止する」
温泉街が広がっている一角にある駄菓子屋。その店頭に張り出されたのは、中国人の入店を禁じる趣旨が書かれた紙だ。朝日新聞によると、店主が翻訳アプリを使って中国語の張り紙を作成し、17日ごろから店頭に張り出したという。
この張り紙を巡っては、様々な議論が巻き起こっている。箱根を訪れている中国人観光客に意見を聞くと、「こういう不愉快なやり方…中国としてこれは屈辱だ」と話す。ネット上でも、「中国人だから入店禁止って言い方は間違ってると思う」「これは店主の経営方針なら仕方ないよね」という声がみられる。
朝日新聞の取材に対し店主の男性は、「うちの店はマナーの良くない中国人に荒らされてきた」「コロナウイルスへの自衛手段」「中国人は入ってほしくない」と話したという。男性の携帯電話には謝罪を求めるメッセージが届いているということだ。
来日する中国人観光客が見込まれる春節(25日から)を前に、観光への影響も心配される。駄菓子店の張り紙について地元の店の人は「これはやっぱりやめたほうがいいと思います」としつつ、観光への影響について「箱根だけじゃないと思うんですけど、(影響は)あると思う」と話した。
朝日新聞によると、店主の男性は張り紙の内容を書き換えるとしているが、入店を拒む姿勢は変えないということだ。この騒動について、『ニューズウィーク日本版』編集長の長岡義博氏は「SARS(2003年に中国で流行)の時と今回では、日本人の対中感情が大きく悪化している。過剰反応につながらなければいいと思っていたら、早速このようなお店が出てしまった」と日本人の“対中感情”の悪化を懸念する。
また、中国人のマナーについては「確かにマナーの悪さに困っているお店があるのは理解できる」とした上で、「中国人のマナーの悪さと新型コロナウイルスの問題は別なので、分けて考えるべき。言い過ぎかもしれないが、関東大震災時の朝鮮人虐殺事件のような話につながりかねない。そこは注意しないといけない」と冷静に捉えるよう促した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
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