大宮慎次朗 黒田陸離
患者3人の命を絶ち、死刑を求刑された元看護師に言い渡されたのは、無期懲役判決だった。横浜市の旧大口病院で2016年に起きた連続中毒死事件。裁判員らは苦悩の末、結論にたどり着いたと明かした。被害者遺族は「納得がいかない」と、検察に控訴するよう求めた。
「無期懲役に処する」
横浜地裁の家令(かれい)和典裁判長が主文を読み上げる際、証言台に座っていた久保木愛弓(あゆみ)被告(34)は、ずっと前を見続けた。家令裁判長が「わかりましたか?」と問うと、小さく「はい」と答えた。
10月22日に裁判が結審した際、家令裁判長は厳粛な法廷で判決を宣告したいとの理由で、結論に関わらず主文を後回しにするとしていた。そして、判決当日、「裁判員のみなさんと真剣に議論した結論」と前置きした上で約30分かけて判決を言い渡した後、こう説いた。
「あなたが本日までに至った…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル