根岸拓朗 山野拓郎、佐々木凌、今泉奏
国には原発事故を起こした責任はあるのか。地裁、高裁で真っ二つに割れてきた司法判断に、最高裁が出したのは「責任なし」という結論だった。反対意見も付いた判断の決め手は何だったのか。責任を免れた政府・与党は再稼働に勢いづいている。
「端的に言えばあまりに大きな津波だったため、長期評価を前提に行動しても回避できたとの判断には無理が大きすぎる」
最高裁第二小法廷の菅野博之裁判長は補足意見で、国の責任を否定した理由をこう説明した。
未曽有の事故に対する国の責任をめぐる司法判断は、地裁と高裁の計23件の判決で「認める」が12件、「認めない」が11件と二分されてきた。最高裁で立ちはだかったのは、「想定外」という高い壁だった。
電気事業法では、国は原発事…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル