2019年4月19日。東京・池袋の交差点で高齢者が運転する車が暴走し、横断歩道を自転車で渡っていた松永真菜さん(当時31)と長女の莉子さん(当時3)が、命を落とした。事故からまもなく1年。妻子を亡くした松永さんは「壊れそうな心をどうにかコントロールしながら、自分の生きる道を模索し続けた1年だった」とBuzzFeed Newsの取材に語る。事故当日の記憶、そして事故の直後から再発防止を訴え続けてきた思いを聞いた。【BuzzFeed Japan/伊吹 早織】【BuzzFeed Japan/籏智 広太】
事故当日の記憶
大体2時くらいだったと思うんですけど、見知らぬ番号から電話がかかってきて。「警察です。奧さんと娘さんが事故に遭われました。すぐに病院に向かってください」と。
その時はもう僕もパニックで。「命はあるんですか?」って聞いても、「答えられません」と。何度聞いても、「とにかく病院に向かってください」というお話をされて。
電車の中で、スマホを手にとると、もうニュースが飛んできていて。
「30代の女性と2歳くらいの女児が心肺停止」という言葉を見たときに、もう電車の中で立っていられなくなって、その場に座り込んでしまって。身体もずっと、自分の手足じゃないみたいに、手足がぶるぶると震えて。
(病院に着くと)ふたりとも顔の上に布がかかっていたんですけど、妻の顔を見たら、もう傷だらけで。本当にね…美しい人だったんですけど…。
莉子の顔も見ようと思ったんですけど、看護師さんが「娘さんの顔はちょっと見ないほうがいいと思います」と。
ふたりの手を触ったらもう冷たくなっていて、ああ、もうこれが現実なんだな、さっきまで笑顔で喋り合っていたふたりの命は、この世にないんだっていう、光景を目の当たりにして。
こんなに何も悪いことをしていないふたりが、あんなにいい人間だった人がなんでこんな目にあうんだろう、こんなことが起きるのはおかしいと、その段階で思っていました。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース