武部真明
東京都千代田区道「神田警察通り」の整備に伴う街路樹伐採をめぐり、反対する住民10人が11日、伐採工事は違法として、樋口高顕区長を相手取り、工事代金の支払い中止などを求める住民訴訟を東京地裁に起こした。住民側は、意見集約の手続きを欠くなど決定過程に瑕疵(かし)があり、それに基づく工事は地方自治法に違反すると主張している。
訴状によると、区は「イチョウを残すと2メートル以上の歩道幅を確保できない」とするが、都や周辺の区には「特別の理由があれば1・5メートルまで縮小できる」との規定があると指摘。イチョウ伐採後にヨウコウザクラに植える区の方針に対し、「イチョウと同様の緑陰を形成するのに数十年単位の時間がかかる」と主張。経費や景観、緑陰形成、防災機能などの比較調査が不十分だとして、効率的な運用を求める地方財政法に違反しているとした。
住民らは伐採工事の中止を求め住民監査請求をしたが6月17日に棄却された。(武部真明)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル