タレント・歌手のつるの剛士さんは5人の子の父で、「ベスト・ファーザー賞」受賞や子育てのため育児休業を取ったことでも知られています。いまは亡き父・貞雄さんの生きざまに大きな影響を受けたといい、その父からもらった「宝物」について話してくれました。
トランペットが欲しかった
高1の時に父が買ってくれたこのトランペット。仕事柄、いろいろな楽器を持っていますが、特別な思い出の品です。といっても、指紋や手あかがついていたりして、大切に保管しているというわけでもないのですが……。
うちの両親は高校時代に楽器演奏が縁で知り合い、結婚しました。2人とも音楽が好きで、家の中は、いつもクラシック音楽が流れていました。僕は4人きょうだいの長男で、下は3人とも妹。みんなそろって楽器の演奏が好きなんです。
僕は中学では、吹奏楽部に入りました。ブラスバンドの花形と言えばもちろんトランペット。やはりトランペットが吹きたかったのですが、先生から「唇の形が合わない」とか言われて、ホルンを吹きました。部長として部員を引っ張る立場にもなりました。吹奏楽に明け暮れた3年間でしたね。地元(東京都練馬区)の大会で金賞を取ったりもしました。
で、高校でも吹奏楽部に入ったものの、こちらは人数が少なく、いま一つ面白くない。でも、自前のトランペットを手に入れ、吹いてみたかった。トランペットって安くはないし、そんなお金もない。そんな時、トランペットの月賦販売の広告を見つけたんです。これなら、とはがきで申し込みました。
それが銀行員だった父の耳に入…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル