チームメンバーは調査結果を説明しながら「忙しくなって余裕がなく、志半ばで辞めていく仲間が多い。『厚生労働の仕事は面白かった。人のためになっている。でも健康や家族を犠牲にしないといけない』と言われるのはやるせない」と危機感を語った。
根本匠厚生労働相は提言を受け「職員の率直な声は重く受け止めたい。提言は組織として真剣に受け止め、厚生労働省改革実行チームに具体的対応をするよう指示したい。生きた提言として一緒に考えていきたい」と回答。
ただ、来年度の新卒の志望者が少なくなる懸念があったといい「大変な役所だと敬遠する志望者も出てくるのではないかと。でも挑戦者よ来たれ、というメッセージを出し、新規採用で36人がチャレンジしてくれた」と語った。
若手チームが提言した内容は、業務改革、人事制度改革、オフィス環境の改善の3テーマ。それぞれ数十項目の内容が盛り込まれている。
「働き方改革」の旗振り役が自分たちの働き方を見直してみた
これまで厚労省は“昭和~平成”型な働き方から脱するべく、「働き方改革」の旗振り役として様々な提言をしてきた。
ただ、民間へ色々指導をしている一方で、当の霞ヶ関職員の働き方はどうなのか。
農林水産省では2018年、文書作成ソフトをジャストシステムの「一太郎」からMicrosoftの「Word」に統一する方針を発表した衝撃の“働き方改革”もあった。厚労省でも改革提言内容を見れば「え、まだこんなことやってるの」という驚きを隠せない。
まず、各省庁はどのくらい業務量の違いがあるのか。
戦後初、そしておそらく明治以降初めての「業務量調査」(自民党行政改革推進本部発表)で2019年に分かったのは、厚労省がとても忙しいということ。
年間最低9000件近い議員説明をこなすなど、単純に仕事量だけみても多いが、職員1000人あたりで考えても国会答弁回数、所属委員会出席時間、質問主意書答弁数、審議会の開催回数や訴訟件数はすべての省庁でトップとなるほど、ダントツで人が足りていないのが分かる。
4月に38人の若手で結成したチームは、省内で働く約3800人を対象にアンケート調査を実施。第1回は1065、第2回では1202の回答を得た。
そして「こんなとこもうありえんわ」と華麗に脱出していった若手退職者、昔ながらの働き方を愛すベテラン職員たちにもヒアリングを行い、職員の働き方の疑問点を洗い出した。
問題点がありすぎてすべてを羅列するのが難しいので、まずはポイントごとに紹介する。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース