新型コロナウイルスの感染拡大で遠のいた客足を呼び戻そうと、京都府宇治市の宇治橋通り商店街で軒を並べる飲食店が共同企画として、弁当を14日から発売する。その名も「崖っぷち弁当」。商店街の佐脇至理事長(56)は「店がなくなれば街が衰える」と語り、期待を寄せる。
商店街は世界遺産・平等院に近く、宇治茶の老舗や飲食、物販など約90店が並ぶ。だが今年に入って客足は前年の1割以下に減少。このため飲食店主らが足並みをそろえて持ち帰り弁当を企画した。「僕ら、死にかけや。崖っぷちやし……」。ある店主のぼやきが、弁当の名前になった。
和洋食店や居酒屋、うどん屋、カフェなど17店が参加。各店は同じ容器に入った弁当(税込み800円)を売るが、店によって押しずし、ハンバーガー、トンカツなど中身が違う。
包装紙の弁当の底部分には「お店でお食事をしてください! とは言えない状況にあります。飲食店はまさに『崖っぷち』に立たされています」と書いてある。居酒屋経営の井谷豊さん(46)は「統一感を出せるのは心強い。各店自慢の味を食べ比べて」と話す。(小西良昭)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル