19~21日に広島で主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれます。核保有国の首脳たちが被爆地・広島に集うことについて、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表委員で、2016年にオバマ米大統領(当時)の広島訪問にも立ち会った田中熙巳(てるみ)さん(91)は何を思うのでしょうか。
翌朝、新聞を見て 「この野郎、冗談じゃない」
オバマさんの広島訪問の時は、前日に、外務省から被団協を通じて連絡がありました。「明日広島においでいただけませんでしょうか」って。代表委員の3人と事務局長だった僕が招待されました。
平和記念公園での式典の前、参加者が集まる待合室で、米国領事から「オバマさんに何を言いたいですか」と声をかけられました。
僕は「長崎の被爆者です。任期中に長崎の被爆者と会って声を聞いてくださいと言いたい」と答えました。もしかしたら話す機会があるかもしれないと期待していました。ですが、直前になって配られた座席表を見ると、席は前から3列目。直接話す機会はないということがわかりました。
(オバマ氏の)演説は同時通訳を使って平和記念公園で聞いていました。英語で聞こうか日本語で聞こうか迷ったりしているうちに流れ始めましたから、最初にどういう言い方をしたか全然気がつかなかった。後半の部分は落ち着いて聞いていました。「科学技術の発達は、人類を破滅させる可能性がある。人類全体の課題である」と、そういう類のことを言った。僕もそう思っているものですから、当日の記者会見で「いいことを言っていましたよ」と言ったんですね。
翌朝、新聞を見たら(オバマ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル