「この夏、博物館はゲームセンターになれませんでした…」。名古屋市博物館の1階ロビーにそう書かれた看板が設置されていて、近くにはアーケードゲーム機が4台置かれています。
ゲームタイトルは「スペースインベーダー」「アルカノイド」「パックマン」「ミニドライブ」で、無料でプレーできます。ロビーにあるので入館料を払う必要もありません。
なぜ博物館にゲーム機を設置したのか? 学芸員の武藤真さんは理由をこう説明します。
「新型コロナウイルスの影響で中止となった特別展『ゲーセンミュージアム この夏、博物館はゲームセンターになります』の番外企画なんです」
当初、7月18日から9月6日までの開催を予定していたゲーセンミュージアム。ゲームセンターを遊び場の一つとして考え、デパートの屋上、ボウリング場、喫茶店、駄菓子屋、大型ゲームセンターなどを紹介する予定でした。
設置予定だったゲーム機は、スペースインベーダーやパックマンだけでなく、「ストリートファイターⅡ」や「beatmania THE FINAL」といったものまで約70台ありましたが、特別展は中止に。そのうちの4台をロビーに置いたのが今回の取り組みです。
看板にあった「この夏、博物館はゲームセンターになれませんでした…」はもちろん、ゲーセンミュージアムのサブタイトルをもじったものです。
「楽しみにしていた方々へのおわびの気持ちを込めて、サブタイトルで引きつけられたらと思って考えました」と武藤さん。
「ゲームをプレーしながら、みなさんがそれぞれ持っている思い出を伝え合って、世代を超えて共有出来る場になればと思います。感染拡大防止のため距離をとって、消毒をしながらお楽しみください」
ゲーム機で遊べるのは今月30日までの予定だそうです。(若松真平)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル