「見守り網こぼれた命 60代姉妹『孤独死』」
2011年1月、朝日新聞朝刊(大阪本社版)の社会面に、そんな見出しの記事が載った。
大阪府豊中市のマンションの一室で、63歳と61歳の姉妹の遺体が見つかった。実家や所有するマンションを差し押さえられ、困窮の末、餓死や病死したとみられる。一帯は福祉ボランティアの活動が充実している地域として知られていた。それでも2人の窮状に、だれも気づくことができなかった――。
「今回のケースを警鐘ととらえ、高齢や独居といった従来の福祉のキーワードにとらわれない活動が求められている」。全国初のコミュニティーソーシャルワーカーで、当時、豊中市社会福祉協議会の地域福祉課長だった勝部麗子さんは、取材にそう答えていた。
それから10年。こうした「2人孤独死」が全国で相次ぐ。寄り添って暮らす夫婦や親子が、なぜ助けを呼べぬまま、ともに倒れてしまうのか。防ぐ手立てはあるのか。
姉妹の死をきっかけに、豊中…
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
残り:2199文字/全文:2618文字
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル