搭乗者に心地よく過ごしてもらい、安全も確保する――。そんな誇りを抱き働いてきた約250人の客室乗務員が昨年、米ユナイテッド航空に解雇された。コロナ禍による減収が理由だが、83人の元乗務員は「誠実な協議を会社はしていない」として解雇無効を求めて訴訟を起こした。元乗務員の怒りと悔しさとは。
「歴史的ともいえる航空需要の激減に、厳しい判断をせざるを得ない」
同社は昨年9月、成田空港にある国内唯一の客室乗務員の拠点を閉鎖する方針を明らかにした。同時にフランクフルトや香港の拠点も閉じ、希望者は米国の拠点で働けるとしたが、永住権がないなどで移り住めない乗務員らは同10月に解雇となった。
このうち男女83人の元搭乗員が今年2月、「解雇権の乱用だ」として同社を相手取り東京地裁に訴えを起こした。乗務員という職種柄、国籍や地域はさまざま。日本人27人のほかは英国、シンガポール、スウェーデン、台湾などの出身だ。いずれも20年以上のキャリアを持つ。
「こまやかな気遣いで自信を持って接客してきたのに、会社から誠意のある言葉はなかった。裏切られた気持ちです」
原告の一人、五島(ごとう)…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル