東日本大震災から9年を前に、安倍晋三首相は7日、福島県双葉町などを視察した。首相は記者団に「避難をしておられる方々にとどまらず、日本中の多くの方々にこの浜通りに移住をしていただきたい」と述べ、福島再生加速化交付金を拡充し、移住を促進する考えを示した。
首相は町全域に出ていた避難指示の一部が解除されたばかりの双葉町で、今月14日に全線開通するJR常磐線の双葉駅を視察した。伊沢史朗町長は「そのままになっていた、荒廃した家屋が多数ある。住民が戻って来られるまで、まだ中長期に時間がかかる」と説明。首相は「再び帰っていただけるよう、我々も努力をしていきたい」と答えた。
一方、首相は記者団から、東京五輪・パラリンピックの招致に向け、東京電力福島第一原発の汚染水に関して「アンダーコントロール(管理下にある)」と言及した2013年の自身の演説をめぐり、現状認識を問われた。首相は「間違った報道もあった。その中で正確な発信をした。そしてその上において、オリンピックの誘致が決まった」と語った。(松山尚幹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル