山本逸生
JR東海の東海道新幹線で車掌として働いていた大阪府内の男性(68)が「年次有給休暇を希望通り取れなかった」などとして、同社に40万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が6日、大阪地裁であった。横田昌紀裁判長は男性側の請求を棄却した。男性は控訴する方針。
労働基準法では、会社は労働者の希望する日に年休を与えなければならないとしている。ただ、「事業の正常な運営を妨げる場合」について、会社は取得日を変更できるとも規定する。
訴状によると、男性は2015~16年度、年休を希望しても会社の都合で出勤したり、無給の公休に変更されたりすることが重なり、計7日分の年休を期限内に消化できなかったという。
男性側は同社に対し、他の社員との勤務調整や代替要員の確保など「希望通りに年休が取得できるように配慮する義務を怠った」と訴え、慰謝料を請求。JR東海側は棄却を求めていた。
同社をめぐっては、東京地裁が今年3月、現役の新幹線運転士ら6人の同様の訴えを認め、同社に計54万円の賠償を命じた。同社は「新幹線の需要に応じ、臨時列車を手配する必要がある」として例外規定に当たると主張したが、判決は「臨時列車の手配はあくまで経営方針に基づくもの。乗務員らの不利益がやむを得ないとまではいえない」と退けた。同社は不服として控訴している。(山本逸生)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル