戦時中に「弾除(たまよ)け神社」として知られた神社が山口市にある。戦地へ赴く出征兵士の無事を願って、家族が2万枚を超える写真を奉納した。戦後、宮司らが返し続けてきたが、いまも1万4千枚以上が社殿に眠る。「全部返すまで私の戦後は終わらない」と宮司は語る。
♪志を果たして いつの日にか帰らん
山口市徳地岸見にある三坂神社の宮司、佐伯治典(はるのり)さん(91)は、社殿にある「武運長久写真奉安所」の前で正座し、唱歌「故郷(ふるさと)」の一節を歌った。戦地へ赴いた男性の写真を両手で掲げ、目を閉じて深々と頭を下げた。「お迎えになりましたのでお帰りいただきます」
写真の男性は、山口県周南市の…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル