手代木慶 阿部育子
横浜市鶴見区で大学生冨永紗菜さん(18)が包丁で刺され殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された元交際相手の伊藤龍稀(はるき)容疑者(22)が神奈川県警の調べに「復縁したかった。(包丁で)脅すつもりだった」という趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材でわかった。一方、冨永さんの上半身には複数の刺し傷があり、死因は出血性ショックと判明。県警は強い殺意があったとみて調べている。
捜査関係者によると、伊藤容疑者は事件直前、鍵を使い冨永さんの自宅マンションに侵入。鉢合わせた家族から鍵を取り上げられて屋外に出されたが、その後も冨永さんが外出するのを待ち、敷地内の駐車場で襲ったとみられるという。
県警によると、6月22日、冨永さんと伊藤容疑者の間でトラブルがあり、鶴見署が対応。署は翌日、伊藤容疑者のもとにあった冨永さんのリュックサックを回収したが、中にあったはずの鍵がなくなっていた。伊藤容疑者はこの鍵を使い冨永さん宅に侵入したとみられている。
知人らによると、2人は冨永さんが以前働いていた飲食店で知り合い、2年ほど交際。冨永さんは6月に入り、「暴力をふるわれたので別れた」と周囲に話していたという。県警には2021年10月以降、伊藤容疑者の冨永さんへの暴力などに関する通報が計4回あった。昨年末の通報時に冨永さんは、けんかになった際に同容疑者から「別れるなら殺す」と言われたと説明したという。(手代木慶、阿部育子)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル