青森県東通村役場の農林畜産課に勤務して6年目。庁内では「熊捕り名人」として知れ渡る舘香菜子さん(27)は、50歳以上も年が離れたベテラン猟師たちから、親しみと尊敬の念を込めて「親方」と呼ばれている。
獣害対策を担う先輩たちをサポートしてきたが、この春から本格的に任されるようになった。経験を重ね、前向きな姿勢と農家の顔を覚えたことなどが評価された。
ツキノワグマはブルーベリーなど果実を好む。一方で、畜産農家が保管のために地中に埋めているトウモロコシも掘り返して食べてしまう。民家近くに出没するクマは、ドラム缶で作ったワナで捕獲するのだが、設置場所を間違えるといつまでたっても入ってくれない。
きっかけはベテランのぼやき
「どうしたら入ってくれるのか」。きっかけはベテラン猟師のぼやきだった。えさを求めてクマが通る「獣道」は決まっており、すぐそばにワナを仕掛けなければ捕獲することは難しい。
現場に出向くと倒伏した雑草があり、かすかにクマの残り香が漂っていた。「根拠があるわけではないけれど、必ずここを通る」と直感した場所にワナを移設すると、その日の夜にかかった。同じパターンが何度か続いた。抜群のセンスだと猟師たちに評価され、設置場所への相談が舞い込むようになった。
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生まれも育ちも東通村。祖父…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル