投資グループ主導の不正申請でコロナ給付金約2億円が給付された事件で、警視庁が摘発した17人は全員が当時20歳代以下の若者だった。申請名義人だった容疑者の中には、大学生や高校生も含まれていたとされる。若者を中心に広がった背景には、グループによる巧みな誘い文句があった。
2020年8月。東京都豊島区の目白署に、少年が父親に連れられてやってきた。「息子が給付金を虚偽申請していたようです」。父親は、自宅に届いた少年宛ての持続化給付金の給付通知書を見つけたという。コロナ禍で売り上げが前年から減少した事業者向けの制度なのに、大学1年生の息子が対象のはずがない、と考えたようだ。
この少年の自首を受け、少年犯罪を担当する同庁少年事件課が捜査を進めた。「同い年のバイト仲間に誘われた」という少年の話を元に、勧誘元の人物をたどっていくと、複数の若者が同じように虚偽申請をしていた疑いが芋づる式に発覚した。そしてその背後に「マイニングエクスプレス」と呼ばれる仮想通貨(暗号資産)の関連事業への投資グループの存在が浮かび上がった。
1人の少年の自首であらわになった巨額詐欺事件。なぜ大量の若者が加担したのか。記事の後半では、「若者が詐欺に乗ってしまう条件がそろっていた」と指摘する専門家の分析も紹介します。
グループはLINEを活用し…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル