新型コロナウイルスの対策で、国は不要不急の集まりを控えるように呼びかけている。とは言うものの、具体的にはどうすればいいのか。展覧会や飲み会、満員電車での通勤――。いつもの生活を改める必要があるのかと、戸惑いも広がる。
16日に開かれた政府の専門家会議。座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は会見で、何が不要不急の用事にあたるのか、と問われ「新年会を行うとか、送別会を行うとか、そういったところには当てはまる」と答えた。
「えー! じゃあ私たちはどう過ごせばよいの」
東京都台東区の及川秀子さん(68)は驚きを隠さない。17日には、友人と3人で東京ドームに「世界らん展」を見に行った。マスクをつけ、電車のつり革をつかまないようにした。
週に2回は、地元の体操教室に通っている。「隣の人に手があたらないくらい離れているんだけど……。やめた方がいいかしら」
友人の西條美恵子さん(68)=江戸川区=は、孫たちと予定していた来月のスキー旅行をキャンセルしたばかりだ。「マスクもなくなるし外出はダメだと言うし、急なことばかりで対応が追いつきません」と肩を落とした。
飲食店が立ち並ぶ東京・有楽町駅近くのガード下。横浜市の会社員紀伊秋文さん(63)は17日夕、仲間と飲むための店を探していた。「不要不急ってわかりづらい。飲み会をやめようという気にはならないなあ」。上司と店を探していた別の会社員(39)も「コミュニケーションは大事ですから」。
関東地方の主婦(55)は、3月に高等専門学校を卒業する長男(20)の謝恩会のことで頭を悩ませる。ホテルに教授らを招いて100人近くが集う予定だ。1年以上前から会場を予約し、プレゼントの準備も進めてきた。「これも不要不急の集まりにあたるのか、ちょっと判断できない」
厚生労働省などは、新型コロナ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル