教育に新聞を効果的に活用するNIE(教育に新聞を)の第27回全国大会(日本新聞協会主催)が4日、宮崎市で始まった。小中高校の教員や新聞関係者ら約1100人が集まり、5日までNIEの意義や最新の授業実践を学ぶ。
2020年、21年は新型コロナ禍でオンラインでの実施となり、3年ぶりに対面で開催。テーマは「いまを開き 未来を拓(ひら)く NIE」。これからの予測困難な時代を生きる力を、新聞を活用した教育で育むよう、NIE実践をさらに広げたいとの思いを込めた。
4日は、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰・旭化成名誉フェローによる講演があった。吉野さんはリチウムイオン電池の開発経緯を説明したうえで、これからの社会において、電気自動車(EV)の車載電池が電力供給の安定化に果たす役割を指摘。「カーボンニュートラル社会の実現に大きな貢献をすると期待している」と語った。
大会には地元の中学生や高校生も招待された。県立宮崎西高校付属中3年の日高洸城さん(14)は、吉野さんに「将来研究者を目指しているが、海外で研究した方がいいという記事を見た。どこで研究するのがよいか」と質問。吉野さんは「確かに日本は基礎研究がおろそかになっているという声もあるが、政府も予算を割こうとしている。情報化社会の今、日本でも海外でもリモートワークが可能だ」と励ました。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル