「鳥海山」の銘柄で知られる天寿酒造(秋田県由利本荘市矢島町城内)は、先が見えないコロナ下でたくましく生きる新社会人や新入社員にエールを送ろうと、「2021新人専用日本酒 新人」を2月22日から限定販売する。味もデザインも新人をイメージしてつくった。
原料米は県産の「ぎんさん」の新米。透明感とさわやかさが感じられる品種という。自然の花から分離した「なでしこの花酵母」を使い、華やかな香りとフレッシュな味わいの純米吟醸酒に仕上げた。
造り手は県内の現役山内(さんない)杜氏(とうじ)の中で一番若い一関陽介さん(38)を中心とした若手蔵人たち。一関さんは昨秋、県清酒品評会の吟醸酒の部で最高賞を受けた。
デザインにもこだわった。全体を何色にも染まっていない白で仕上げ、外ラベルで名刺、内ラベルで柔道の白帯を表した。酒瓶を包んでいるのは、オリジナルの「新人新聞」。「乾杯の際にお猪口(ちょこ)同士をぶつけない(グラスと異なりこぼす可能性が高いため)」「違う種類・銘柄の日本酒を注ぐときは必ず相手が飲みほしてから」などの日本酒の注ぎ方・マナーや、社会人としての言葉遣いチェックなど、新人に役立つ情報をまとめている。
「新人」発売は昨年に続き2回目。昨年の原料米は県産の「めんこいな」だったが、今年は「ぎんさん」に変えた。昨年は1千本造って2週間で売り切れたので、今年は3千本に増やした。720ミリリットル入りで税込み2千円。天寿酒造のオンラインショップや県内外の酒販店で購入できる。(増田洋一)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル