原発から出る「核のごみ」(高レベル放射性廃棄物)を捨てる安全な場所はどこにあるのか――。世界各地の処分場候補地などを巡ったドキュメンタリー映画「地球で最も安全な場所を探して」が、国内各地で上映されている。日本でも北海道の2自治体が処分場選定の調査に手を挙げるなか、エドガー・ハーゲン監督(62)が朝日新聞のオンライン取材に応じ、映画に込めた思いを語った。
スイス在住のハーゲン監督が制作を始めたのは、東京電力福島第一原発事故前の2009年ごろ。スイスで処分場選定を巡って論争が起き、各国の状況を伝えたいと考えた。「世界の原子力産業は相互につながっている。(原発を持つ国に)共通する問題を各地の現場から伝えたいと思った」
日本を含む世界各地の最終処分場探しに関わってきた核物理学者、チャールズ・マッコンビー氏に協力を求め、米国ネバダ州や中国のゴビ砂漠、スウェーデン、英国などの候補地や関連施設を巡った。原発を推進する立場のマッコンビー氏と、反原発の立場のハーゲン監督が一緒に旅するロードムービー形式をとった。
「原発をやめたとしても、核のごみをどうするかという問題は残る。チャールズも、この問題は解決されなければいけないと考えていた」
豪州では20年ほど前、経済…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル