国の「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)の最終処分場選定に向けた文献調査の一環で行われる「対話の場」が14日夜、北海道寿都町で初めて開かれた。町や事業主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)が開くもので、事業への理解を得る狙いがあるが、初回は会合の目的や参加者の人選といった「そもそも論」を巡って住民から異論が相次いだ。
道内では昨年11月、全国初の文献調査が寿都町と神恵内村で始まり、NUMOは今年3月、2町村に事務所を設置。2年間の調査期間で資料を調べるほか、住民代表らを集めて「対話の場」を月1回程度開く。寿都町では14日夜、神恵内村では15日夜に初回が開催された。
寿都町では調査への住民の反対が根強く、初回は開催の目的や参加者の人選といった「そもそも論」で異論が相次ぎ、紛糾した。
会合の参加者は町が選んだ町民20人(町議9人、産業5団代の代表、福祉関係者ら)で、初回は18人が出席。北大大学院工学研究院の竹田宜人学術研究員がファシリテーター(進行役)を務めた。片岡春雄町長や経済産業省資源エネルギー庁、NUMOの職員らも同席した。
まず問題となったのが、事前に配られた対話の場の「会則案」だ。目的の項目に「地層処分事業等の理解を深めていただく」とある。調査に反対する複数の町議が、地層処分を進めることが前提となっていると反発した。
「対話の場」の主催者についても疑問の声が出た。片岡町長は「(対話の場の)設置までは町の役割。スタート後は事務局としてNUMOが加わる。これからは参加者みなさまが主役」と述べ、初回は町、2回目以降はNUMOが主催との見解を示した。
この説明に、反対派の町議2人が「今回は町長に指名されたから町議として出席した。2回目以降はNUMOが主催なので欠席する」と発言。町とNUMOは会合後、両者の「共催」とすると報道陣に説明した。
調査反対派は参加者の人選につ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル