「衆院議員を辞することと致しました」
東京地裁の103号法廷。左胸に議員バッジを着けた河井克行議員は、弁護人から進退を尋ねられると10秒ほど沈黙した後、そう述べた。
克行議員は23日の被告人質問で、起訴内容とされた100人への計約2900万円の現金提供の大半について、買収行為を認めた。
昨年8月の初公判時に否認した理由を「全ての行為が買収と断じられるのは、政治家として受け入れられなかった」と説明。「(妻の)案里や支持者に泥を塗るのではないか」と考え、潔白を訴えたという。
ただ、46回に及んだこれまでの公判では、克行議員にとって不利な証言ばかりが並んだ。
証言台に立った地元議員や首長らは、現金受領の違法性を認識していたと次々と認めた。「無理やり押しつけられたので仕方なく受け取った」「国会議員なので断れなかった」――。100人のうち94人が現金の趣旨は買収だったと明かした。「買収目的ではない」との無罪主張は、窮地に追い込まれていた。
主張を一転させたのは、そうし…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル