井上怜
秋田県内の公立高校の生徒からいじめを受けたという訴えがあり、県が設置した第三者委員会は、いじめがあったと認定する報告書をまとめた。24日、県教育庁が県教育委員会に報告した。
報告書によると、県立高の当時1年生だった生徒は2020年6月ごろから、同学年の3人から暴言などを受けるようになり、21年1月に学校側に被害を申告。その後、重いストレス反応で通学ができなくなった。遺書とも解釈できる文書があり、自殺を図った可能性もあるとして、県教委は同3月にいじめの重大事態と認定した。
弁護士や精神科医らでつくる第三者委が関係者らへの聞き取りを進め、生徒がいじめを受けたと訴えた12項目の行動のうち、「死ね」「ウザい」などの暴言を受けたことや、学校内でホースで水をかけられたこと、「パンやジュースを買ってこい」と言われたことなど、9項目についていじめと認定した。
第三者委は報告書で、学校の初期対応が遅れ、保護者との信頼関係を築くことができなかったと指摘。再発防止のために、教職員への研修の義務づけや、生徒に対する予防教育の実施などを提言した。
県高校教育課は「二度と起きないように、再発防止に向けて各校に指導していきたい」としている。(井上怜)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル