新型コロナウイルスへの恐怖が引き起こす差別は、逆に人類を危険にさらす――。ヘイトスピーチを監視するNGO団体「反レイシズム情報センター(ARIC)」代表の梁英聖さんに、コロナ禍での差別の恐ろしさについて尋ねました。
リャン・ヨンソン 1982年生まれの在日コリアン3世。15年に立ち上げたヘイトスピーチを監視するNGO団体「反レイシズム情報センター(ARIC)」代表。
新型コロナウイルス禍で、非常に深刻な差別が頻発しています。普段から地方議員を含めた政治家ら公人の差別発言を集めて記録していますが、1月以降はコロナ関係が7~8割を占めます。「武漢肺炎」をはじめ、「中国人はウイルスだ」など、ウイルスを国籍や人種、民族と結びつけたSNSでのヘイトスピーチが目立ちます。麻生太郎財務相も3月に「武漢ウイルス」と発言しました。
政策にも表れています。さいたま市は幼稚園や保育所の職員向けにマスクを配布する際、埼玉朝鮮初中級学校の幼稚部を当初、対象から除外しました。子どもの休校に伴う保護者への休業補償でも、性風俗店で働く人が対象外にされかけ、10万円の一律給付を「国民に限るべきだ」と主張した国会議員もいました。
これが怖いのは、このコロナ禍…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル