遠藤美波 長妻昭明 増山祐史
東京都台東区の自宅マンションで当時4歳の女児が薬品を飲まされて殺害された事件で、逮捕された両親のうち父親が警視庁に、「死亡の前日、娘と妻は半日ほど自宅で2人きりだった」という内容の説明をしたことが捜査関係者への取材でわかった。逮捕時に父親は否認、母親は黙秘し、警視庁は経緯を調べる。
捜査1課によると、父親の細谷健一(43)と母親の志保(37)の両容疑者は共謀して昨年3月12日ごろ~13日、自宅で次女の美輝(よしき)ちゃんに抗精神病薬「オランザピン」と不凍液「エチレングリコール」を摂取させ、殺害した疑いがある。
捜査関係者によると、健一容疑者は日曜日だった同月12日について、「長男と長女を連れて午前9時ごろに後楽園に外出し、午後8時ごろに帰宅した」と逮捕前の任意聴取に説明した。警視庁も確認したという。
関係者によると、健一容疑者は、志保容疑者と美輝ちゃんとは夕方に合流する予定だったが、志保容疑者が「寝ていて連れて行くのは難しい」と言い、合流しなかったと周囲に話したという。
捜査関係者によると、健一容疑者は翌13日、学校への送迎のため長男と長女を連れて午前7時半ごろに外出。志保容疑者から連絡を受けたとして午前9時ごろ、「娘が息をしていない」と119番通報していた。
健一容疑者は任意聴取に、13日午前6時ごろ、床に横たわった美輝ちゃんが呼吸しているのを確認し、同6時半ごろに「薄目を開けていたので脈を確認した」と供述。外出直前、長女が「美輝ちゃんの口元が黄色い」と健一容疑者に指摘したとも説明したという。警視庁は、美輝ちゃんは12日以降に不凍液などを飲まされたとみている。
救急隊が到着した際、美輝ちゃんはリビングで上半身裸のおむつ姿で倒れていた。背中には死後に皮膚が変色する「死斑」があり、警視庁は死亡後、一定時間放置されたとみている。(遠藤美波、長妻昭明、増山祐史)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル