36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判が6日、京都地裁であった。最大の争点である刑事責任能力を巡り、検察側が意見を述べる中間論告に続き、被害者参加制度で裁判に加わっている遺族らが意見陳述した。
被害者遺族の父親の一人は、青葉被告が京アニに小説のアイデアを盗用されたと主張している点について、「正常心理に近い」と主張した。パクられたという考えから放火殺人を計画したことには相当大きな飛躍があるとしつつ、「被告は不本意(だと思う気持ち)が大きくなると攻撃的になる。偏った人格傾向によって犯行が起きた。精神障害による妄想の影響はなかった」と訴えた。
また、被害者参加の遺族や代理人による「連名意見」が代表者によって読み上げられた。連名意見は被告人質問や鑑定医の証言を踏まえ、「善悪を判断する能力は減退しておらず、思いとどまる能力も著しく減退していないのに犯行に及んだ」と強調した。(関ゆみん)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル