かつて「猪飼野(いかいの)」と呼ばれた在日朝鮮人の集落があった。現在の大阪市生野区と東成区にまたがる地域だ。その真ん中にあった「大阪朝鮮第4初級学校」が3月、歴史に幕を閉じた。まなびやの歴史を残そうと、記念誌「猪飼野の朝鮮学校」ができた。
猪飼野には、日本による植民地支配期に、過酷な低賃金労働の担い手となった朝鮮半島出身者の多くが定住した。1946年、同校の前身校が建てられた。
学校法人「大阪朝鮮学園」(同市東成区)が運営してきたが、学校再編で、生徒たちは4月から同じ生野区にある別の朝鮮学校に通うことになった。
記念誌制作の中心を担ったのは、第4初級学校に子ども2人を通わせた高元秀(コウォンス)さん(61)だ。かつて朝鮮学校の美術教員として働き、現在はグラフィックデザイナーとして活動している。
記念誌によると、45年8月15日の「解放」後、「奪われた朝鮮の言葉と文字、歴史や文化を取り戻したい」という在日朝鮮人たちの思いから、全国で民族学校の建設運動が広がった。
第4初級学校の前身校は49…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル