東京都荒川区の産婦人科医院が先月、突然閉院し、出産を控えた妊婦たちに混乱が起きた。区の担当者によると、院長は「体調不良と資金繰りの悪化」と説明したという。都内では、同じような理由で分娩(ぶんべん)の受け入れをやめた医師もいた。出産の現場で、何が起きているのか。
「予約していたのに、(医院が)お休みしている。どうなっていますか」
5月8日。区健康推進課には、こんな電話が相次いだ。区の担当者が医院と連絡が取れたのは3日後。院長は電話口で「体調不良と資金繰りの悪化による閉院」と説明した。
区によると、医院は15床を持つ診療所で、1970年に開業した。現在の院長は2代目。食事がおいしいと評判だった。
今回の閉院で、区内で分娩できる施設は病院、診療所、助産所がそれぞれ1カ所ずつの計3カ所となった。2005年には計13カ所あり、その後、徐々に減っていったという。
■「産む場所」減少、ぎりぎり…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル