杉浦奈実、吉田啓
3日、史上最年少の三冠王に輝き、DeNA戦で王貞治氏を超えるシーズン56号本塁打を放ったヤクルトの村上宗隆選手(22)。かつて地元・熊本でともに汗を流した仲間たちの心に残っているのは、その才能以上に、ひたむきに努力する姿だった。
九州学院高校の1学年後輩で、捕手だった村上選手とバッテリーを組んでいた東洋大学4年の田尻裕昌さん(21)は「ムネさんなら絶対やってくれるだろうと思っていた」と喜んだ。王氏と並んだ55号以降、三冠王もあってプレッシャーがあっただろうが、高校時代からの練習態度を見てきたので、「応援したい」と、見られる試合は全部見てきた。本塁打を打てなくなった時期も、慌てる様子がなく、自分のペースでやっているように見えたという。ダイエーホークス(当時)で平成唯一の三冠王に輝いた、松中信彦氏に続く熊本県出身者の活躍がうれしい。「おめでとうございますとラインで伝えます」と言葉を弾ませた。
高校時代の村上選手は主軸・主将・捕手と、チームの大黒柱だった。内角をしつこく攻めたり、外角一辺倒にしてみたりと、大胆な配球をする捕手だったという。今季の活躍は配球を読む力に捕手の経験が生き、また、チームの勝利を第一に考える人間性や、結果に満足しない向上心がもたらしているのでは、と推し量る。
ベンチの中で監督の近くに座…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル