今年の大みそか。NHK紅白歌合戦と同じ時間帯に、ちょっと変わった「歌合戦」で真っ向勝負するローカル局がある。
独立局のテレビ埼玉だ。
主役となるのは著名歌手ではなく、ある職業の人たち。知事や市長、地元企業社長らが全力で歌い、インターネットでは「埼玉の奇祭」ともたたえられる「埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」(元日放送)を手がける同局の、新たな挑戦だ。
11月中旬のある日。テレビ埼玉本社(さいたま市)に、工務店や内装工事会社など8社の社長や社員らが集まった。有名アーティストに似せた扮装の人もいれば、作業服姿の人もいる。
この日は、今年の大みそかに初めて放送される番組「大晦日(みそか)職人歌合戦」(31日午後8時~9時半、放送終了後にテレビ埼玉公式ユーチューブで配信)の収録日だ。
作業服姿でステージへ
スタジオにカラオケの曲が流れ、リハーサルが始まった。
工具など職人向けのグッズを販売する「かじ兵衛」(三芳町)がトップバッターだ。
広報担当者(41)が「世界に一つだけの花」(SMAP)を熱唱。バックダンサーは、同社の顧客でもある4人の職人が務めた。いずれも作業服姿で、工具類が入った「腰袋」を身につけている。とびや電気工事の仕事をしているという。
アフロヘアのカツラと白い衣装で、故・西城秀樹さんのヒット曲「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」を歌ったのは、太陽光発電設備の工事会社「エコグリーン開発」(白岡市)の社員たち。声を張り上げ、ステージを笑顔で駆け回った。
なぜこの企画が始まったのか。番組のプロデューサーに狙いを聞きました。
一方、内装工事会社「吉村」…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル