矢田文
大阪大学は20日、医学部付属病院(大阪府吹田市)の一部のエリアで、28年にわたり、上水道に誤って井戸水処理水を供給していたと発表した。1993年の建設時に、配管を誤って接続したことが原因とみられる。現時点で、健康被害は確認されていないという。
阪大によると、配管の接続が誤っていたのは、外来・中央診療棟の一部。大学では通常、井戸水を簡易処理したものは、トイレの洗浄や空調熱源の冷却水に使う。今回のケースでは、トイレの手洗い場や職員控室の飲み水、手洗いに使われていた。
今月7日、新しい診療棟を整備するため作業をしていた施工業者から「経路が不明な配管がある」と連絡があった。水道管の接続状況を確認したところ、18日に、上水と井戸水処理水の配管が入れ替わっていたことがわかった。
配管工事は、93年5月に病院が建設された際に、別の施工業者が実施していたという。これまで阪大が週に1回自主的に実施していた検査では、飲料水にしても問題ないという結果だった。阪大は、該当する蛇口の飲用を停止し、施工業者に水質に問題がなかったか詳しく調べさせている。
20日に会見した阪大理事の中谷和彦副学長は「市民のみなさまの安心と安全、健康を担う大阪大学付属病院において、このような事案が発生し、ご利用のみなさまに大変なご心配とご不安、ご迷惑をおかけしてしまった。心よりおわび申し上げる」と謝罪した。(矢田文)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル