カツ丼が人気だった。隠し味は警察署ならではの緊張感。「高知で一番安全な店」とも言われた。
高知警察署の旧庁舎の「地下食堂」で約10年にわたり調理場に立ち、県警本部長から感謝状をもらった女性がいる。高知市の田内千鶴さん(61)。昨年暮れに営業を終えたが、評判のメニューでもう一度勝負しようと、署の近くに新店をオープンした。
高知署はJR高知駅前にあり、繁華街や官庁街をエリアにもつ県内最大の所轄署だ。4月まで使った築50年のコンクリート5階建ての旧庁舎は、外壁の塗装がはがれ、廊下の床はつぎはぎだらけ。この老朽化したビルの地下1階に「高知警察署地下食堂」はあった。
焼き魚定食550円、肉うどん500円、唐揚げカレー650円。30種類を超えるメニューの中でもカツ丼600円が人気だった。やわらかい豚肉を衣に包んでカリッと揚げ、卵とタマネギでとじる、つゆ多めの一品だ。
田内さんは人気の理由を、「おいしくて食べやすかった。それとやっぱり刑事ドラマの影響やろか」。
制服姿で外食できない警察官が昼食を取ったり、夜勤前の署員が利用したりしていた。簡素なテーブルと椅子を並べた50席ほどの食堂。営業は午前9時~午後2時、午後4時半~午後6時半。近隣住民や観光客も訪れる穴場で、計100人ほどが1日に訪れた。
安くてうまい、高知の名所
「高知署の食堂をやらないか…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル