新型コロナウイルスの感染拡大が全国各地で続く中、安倍晋三首相は7日に「緊急事態宣言」を出しました。
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「緊急事態宣言」が出ると、感染のまん延を防止するためにどんな措置を取るか、都道府県知事が判断していくことになります。「宣言」を受け、東京都や大阪府など対象地域の知事は記者会見を開き、自治体としての対応を明らかにしました。
「緊急事態宣言」が出された場合、私たちの生活はどんな影響を受けることになるのでしょうか。
「宣言」で都道府県知事にさまざまな権限
7日に政府が出した「緊急事態宣言」は、今年3月に改正された新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法、2012年成立)に基づくものです。新型コロナウイルスにも対応できるように改正されました。
安倍首相は、対象区域を東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県、実施期間を5月6日までの1か月間とすることを発表しました。
「緊急事態宣言」によって、私たちの市民生活にはどんな制約が発生し得るのでしょうか。
首相から「宣言」が出ると、対象となった区域の都道府県知事には、感染のまん延を防止する対策を行うために、各種の権限が与えられます。知事は、住民や業者などに、特措法に基づいたさまざまな「要請」や「指示」をすることができます。
特措法では、知事は住民に対して、みだりに外出しないよう要請できます。ただ生活維持のために必要な外出は可能です。
また、学校や社会福祉施設などのほか、映画や音楽、スポーツ施設などの使用の制限や停止、またイベント開催の制限や停止などを、施設管理者や事業者らに要請できます。要請に従わない場合は、指示することができます。
ただし、これらの「要請」「指示」に強制力はなく、違反した場合の罰則規定もありません。
感染者の急増でベッド不足など医療現場のひっ迫が伝えられますが、こうした医療提供体制の確保をするための措置では、「強制性」や「罰則」を伴うケースがあります。
知事は、臨時の医療施設を開設する際、土地や建物などの所有者が正当な理由なく応じない場合や所在が不明な場合には、同意を得ず強制使用できます。また、医薬品や医療機器、マスクなどの物資や食品などの売り渡しを企業などに要請することができ、正当な理由なく応じない場合には、強制収用が可能です。
そのほか、これらの物資の生産や販売、輸送などを行う企業などに対し、保管を命令することができます。この命令に従わず、隠したり、廃棄したり、搬出したりした場合は6月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース