新型コロナウイルスの感染拡大を受け、インドネシアのジョコ大統領は15日に記者会見し、「自宅で働き、学び、祈る時だ」と述べ、外出を自粛するよう要請した。1万9千人余りいる在留邦人の生活や、約1900社が進出する日系企業の業務にも影響が及ぶことになる。
ジョコ氏は会見で「都市の封鎖はしない」と語った。そのうえで、「インドネシア経済が広く深刻に停滞しはじめた」と述べ、緊急の財政支出を指示したと説明した。
15日の政府発表では、同国はブディ運輸相を含めて計117人の感染を確認した。観光地バリ島に滞在した1人を含む5人が死亡したという。今月2日に初の感染を発表して以降、当初は検査態勢が整わずに感染者数の伸びは鈍かったが、最近は毎日数十人のペースで増えている。
首都ジャカルタではこの日、イスラム教の礼拝所(モスク)や観光地の独立記念塔、ジャワ島の主要都市間を結ぶ電車内などで、消毒作業が行われた。首都中心部では、日曜朝に恒例となった「歩行者天国」も中止され、人出が減少している。(ジャカルタ=野上英文)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル