北の稚内駅(北海道)、東の根室駅(同)、南の枕崎駅(鹿児島)、関門海峡を望む門司港駅(福岡)――。陸地の端、線路が行き止まりとなっている終着駅は、鉄道好き、旅好きの人の間で人気が高い。九州の西の端にあるJR長崎駅(長崎市)も、そんな旅情を誘う駅の一つだ。その駅舎が28日朝、生まれ変わった。新駅舎への大変貌(へんぼう)の一夜を追った。
長崎駅は1897年、今の1キロあまり北側に開かれ、日露戦争が終結した1905年に現在の位置に移った。大正期建造の2代目駅舎は、原爆で焼け落ちたが、ホーム屋根の一部などは当時のまま残る。戦後の3代目駅舎を経て、平成に入り駅ビルと一体で造られたのが、4代目の旧駅舎だ。
ホームには「0」の文字があり、1~4番ホームの後に増設され、「0番乗り場」の名がついた。終着駅ならではの車止めのあるホームとしても知られた。
新駅舎は約150メートル西に移り、高さ9・6メートルの高架ホームになる。新駅舎では「0番」の名は引き継がれない。
新駅舎の建設は、長崎線の高架化と、九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)の乗り入れ準備が目的だ。高架化は、長崎―浦上を含む約2・5キロの区間に4カ所あった踏切をなくして渋滞を緩和するのが目的で、総事業費約529億円。新幹線は2022年度の暫定開業予定をめざし、高架や駅の建設工事が現在、進む。
鉄道ファン、車止め付近に集結
27日午後11時ごろ、長崎駅…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル