「桜を見る会」の真相にベールがかぶせられたまま、臨時国会が9日閉会した。公私混同が疑われる問題について、公文書が捨てられ、にもかかわらず「今後とも丁寧な説明をさせていただきたい」(菅義偉官房長官)と開きなおる――。モリカケ問題から繰り返される光景に、市民から憤りの声があがった。
「すべてを明らかに」。東京・永田町の官邸前には9日夜、30人ほどが集まり、抗議活動をした。
川崎市の会社員伊藤真由美さん(42)は「税金の私物化が目に余る。首相の国会答弁を聞いても、説明責任を果たしているとは到底言えない」と語った。
東京都練馬区の放課後等デイサービス職員、守屋真実さん(61)は、野党議員から開示請求があった当日、内閣府の名簿が廃棄されていたことについて「政権のモラルの無さと、良心を失ってしまったかのような官僚の対応、それらを許してしまっている国民の無気力さが残念」と話した。
菅官房長官は当初「首相枠、政治枠という特別なものはありません」と、事実と異なる説明をしていた。11月中旬、安倍晋三首相は桜を見る会について「国会から求められれば、説明責任を果たすのは当然」と語った。しかし与党は予算委員会の開催要求に応じず、国会規則を無視した。
法学者や政治学者らで作る「立憲デモクラシーの会」は9日会見し、こうした姿勢が「社会に絶望とシニシズム(冷笑主義)をもたらしている」(西谷修・東京外語大名誉教授)と懸念した。「正論を積み重ねてもダメだと無感覚になっていく」
石川健治・東大教授(憲法)は…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル